令和1年9月定例会(9月5日)

◆9番(DELI議員) 皆さん、おはようございます。政策実行フォーラムのDELIです。

 それでは、早速、通告に従って順次質問させていただきたいと思います。

◇まず、質問事項1.図書館について。

 (1)東松戸複合施設について。

 この質問については、先の6月定例会等で大橋博議員や戸張友子議員からも質問が出ていたと思いますが、松戸市図書館整備計画の位置付けなど、大筋、大枠については理解していたところですが、その後、6月末に図書館部分の配置計画も含めた(仮称)東松戸複合施設の基本計画が示されたので、それを踏まえて質問させていただきます。

 まず、蔵書数についてです。

 松戸市図書館整備計画を見ると、蔵書数については平成25年度末の時点で、松戸市は図書館全体で56万9,510冊の蔵書を保有しているということです。約57万冊。これを近隣市と同じ25年度末の時点で比較すると、同じ人口規模の市川市立図書館は約108万冊、本市の2倍弱の蔵書数となっています。また、同じく柏市立図書館でも約91万冊と約1.6倍となっています。また、最新のデータでいうと、千葉県内の公共図書館と比較すると、人口1人当たりの平均蔵書数が3.15冊であるのに対して、本市では人口1人当たり1.21冊と、県内で図書館を設置している自治体の中では最下位となっているということです。

 そこで、この(仮称)東松戸総合施設の図書館では、どのくらいの蔵書を保有するつもりでいるのかというのをお答えください。

 なお、今回の質問をするに当たって、専門家の方とも意見交換をさせていただきましたが、この規模の図書館なら最低10万冊ぐらいは必要なのではないかというような声も聞いています。具体的に今の段階で確定はできていないと思いますが、どのくらいを想定しているのかだけでもお答えください。

 そして、次に、いただいた資料の中の配置計画に、図書館部分の配置図が示されているんですが、その配置レイアウトについてもお伺いします。

 恐らく交流を生み出すということで、図書館と2階、青少年プラザをつなぐ吹き抜けと階段を配置しているのだと思いますが、図書館から上に本を持っていく場合、貸し出しをしてからでないと上に上がれないということです。貸し出しカウンターの奥にも階段がありますので、あえて図書館の中の真ん中に、これだけのスペースを使って階段を設置するよりも、本棚を増やしてできるだけ蔵書数を増やしたほうがいいのではないかと考えますが、市の御見解をお答えください。

 続いて、(2)として、人材確保・育成についてです。

 松戸市が目指す図書館像である松戸市図書館整備計画の内容を実現するには、ハード面だけでなくソフト面の整備も重要です。そこで、最も重要なのは、人員配置と専門性ということになってくるのかなと思いますが、そこで、図書館に勤務する職員のうち、司書有資格者の割合を教えてください。

 整備計画を見ると、平成26年度末の時点では、正規職員32名のうち司書有資格者は10名で、割合は31%ということでした。県内平均が約50%ということなので、これと比べると専門職がかなり少ない状況だったのかなと思いますが、現在の状況を教えてください。また、近隣市の状況も併せて教えてください。

 そして、松戸市が目指す図書館像を実現するには、レファレンスサービスや郷土資料、地域資料についてももっと充実させていく必要があると思います。レファレンスとは、利用者の相談に対して必要な資料や情報を提供し支援をするサービスのことで、今では図書館の重要な役割の一つになっています。平成25年度の件数を見てみると、県平均が6,629件に対して、松戸市は1,132件と約6分の1程度となっています、県の平均に対して。これでは十分に活用されているとは言えません。認知度が低いということもあるかもしれませんが、図書館側もレファレンスに十分対応できる体制が整っていないという状況でした。

 市民からの幅広い要求に対応するには、司書を始めとした図書館職員の研修、マニュアルの整備などが必要であると整備計画では示されています。このあたりも含めた現状の取り組みについて教えてください。

 また、郷土資料や地域資料に関しては、司書の資格を持っていても、松戸市立図書館での経験を積まなければ十分にその能力が発揮できないのではないかと考えます。そこで、現状に鑑み、松戸市の目指す図書館像を実現するためにも、人事異動のない環境でスペシャリストに経験を積んでもらえるように、専門職の正規雇用については考えられないか、市の御見解をお答えください。

◇続きまして、質問事項2.甲状腺エコー検査の助成についてです。

 まず、この甲状腺エコー検査については、平成29年度に従来から検査をしていただいていた市立病院が、移転の準備等のため検査を行うことができないということで、事業継続性を第一に考え、検査体制を変更しながらも、新松戸中央総合病院にて検査を実施する運びとなったということでした。その後、30年度以降は、松戸市立総合医療センターのほうで検査を行っていけるようにしていきたいという意向を伺っていたのです。この件については、その動向を注視していました。

 しかし、昨年度も、そして今年度も、結局、引き続き新松戸中央総合病院のみということになっています。既に、総合医療センターも開院から2年が経過しようとしています。

 そこで、(1)として、総合医療センターでの甲状腺エコー検査の実施については、今後も協力していただくことは難しいのでしょうか、理由も併せてお答えください。

 続きまして、(2)として、今後の方針についてと通告させていただきました。

 事業の継続性を第一に考えると、今の検査を受けられる病院も新松戸中央総合病院のみということで、しかも非常勤の先生がお一人で対応していただいているという体制で、その点では不安が拭えません。申し込み数を見ても、先日の増田薫議員の質問での御答弁にもあったと思いますが、ある一定のそういうニーズは達成しているのかなというふうには思うんですけれども、せっかく毎年助成の予算措置をしていただいているにもかかわらず、このように時間や場所の制約が多くて、受けたくても受けられないという方が、いつまでたっても検査を受けられないような状況になってしまっているのじゃないかということも考えられます。

 実際に、過去にアンケート調査なども行っていまして、助成制度そのものは知っているけれども、検査を受けられる日が限られているために、受けたいけれども受けられないという方も一定数いらっしゃいます。

 そこで、以前にも一度提案させていただいておりましたが、さらにより検査が受けやすい体制とするために、新松戸中央総合病院で検査したデータを持って、ほかの医療機関で結果説明を受けたものに対しても、償還払いという形になってしまうかもしれませんが、助成をしていただいたり、ほかの医療機関でエコー検査したものの結果を持って、新松戸中央総合病院で結果説明を受けられないかなどの検討をするべきだと思います。総合医療センターでの甲状腺エコー検査の実施について、これは難しいということであれば、なおさらその必要があるのではないかと考えますが、市としてのお考えをお聞かせください。

◇続いて、質問事項3.坂川の清流を取り戻すための対策について。

 この問題は桜井秀三議員も質問されておりましたが、以前から近隣住民の方からもお話は聞いていました。坂川絡みのポンプの不具合、ラバー堰の破損によるエアー漏れなどと、こういった状況が2年余り続いていて、かつて清流ルネッサンスの取り組みによって大きく改善された坂川は、近年、水の流れもなくなり、濁ってしまっているという問題が発生しています。

 ことしの6月に、松戸市それから千葉県、国土交通省と関係機関の担当者により、今後の取り組みについてなどの説明会が行われ、私も参加してきました。その説明会では、6月から坂川にある小山可動堰を調整して坂川に流れる水の量を変えながら、水の流れや川の見ばえ、ごみの状況について坂川の調査を行い、その後調査結果を活用して、坂川の水の流れや水辺をよりよくするための方法を9月以降に取りまとめるとのことでした。

 近隣住民の方々は、この数年間、さまざまな働きかけを続けてきていて、やっとここで住民説明とアンケートどりなども始まり、9月から対策事業案をつくるということでしたが、この先どういうふうなスピード感で進んでいくのか、取り組んでいくのかというのが見えないという不安を持っている方々もいらっしゃいます。

 そこで、これまでの現地実験と調査の結果を踏まえて、どのような対策をしていくのか、また坂川の水の流れや水辺をよりよくするための方法を、いつごろまでに取りまとめるおつもりなのか、できる限りでいいので、具体的にお答えください。

◇最後に、質問事項4.原子力災害における水戸市民の県外避難に関する協定について。

 この協定については、昨年12月、ことしの6月定例会でも質問していますが、その際、この協定は広域避難の基本的な事項を定めるもので、避難の方法や避難所等の細目的事項についてはまだまだ課題も多く、今後、千葉県、茨城県水戸市と十分な協議・検討を行い、なるべく早い段階で実効性のある避難実施要領を策定する必要性があるものと認識しているということでした。

 特に避難の方法については、1万6,000人もの人が原則、自家用車で避難をしてくるということが前提だったので、本市における主要避難所付近に駐車場の確保が困難であるとか、また一時的に多数の車両が松戸市内に流入した場合、道路交通上大混乱が生じ、市民の日常生活にも多大な支障を来す可能性が高く、特に重大な問題であるという旨を既に申し入れしており、自家用車以外の輸送手段等に関する水戸市の検討結果を踏まえて、課題解決に向けて水戸市と協議を深めていきたいということでした。

 8月ぐらいに水戸市側からの返答が返ってくるのではないかというふうに聞いていましたので、その後の進捗状況をお伺いしようと思っていましたが、きのうの岡本優子議員とのやりとりで、現状の課題については水戸市と調査を行っているという状況ということは理解したんですけれども、協定の締結からもうすぐ1年が経過しようとしています。これ以上、水戸市側からの返答がないようであれば、人口規模や収容避難所などの条件から、そもそもキャパシティーがどれくらいあるのかということをきちんと伝えるべきですし、それを算定した、恐らく県の県有施設などの広さとか、そういうもので算定をされたんだと思いますが、その受け入れ人数を算定して決定した千葉県側とも協議したり、調整役として動いてもらったり、またそもそも松戸市側としてのキャパシティーをきちっとお伝えすることも必要なのだと思いますが、この間、そういった松戸市として、千葉県や水戸市にそのような働きかけをしているのでしょうか、お答えください。

 以上、大きく四つです。御答弁のほどよろしくお願いいたします。


○山口栄作議長 休憩いたします。

     午前11時55分休憩

     午後1時0分開議


○山口栄作議長 再開いたします。

 休憩前に引き続き、議事を進めます。

 理事者の答弁を求めます。

     〔片田雅文生涯学習部長登壇〕


◎生涯学習部長 こんにちは。DELI議員御質問の質問事項1.図書館について、質問要旨(1)、(2)について順次御答弁申し上げます。

 初めに、(1)東松戸複合施設についてでございます。

 現在計画している(仮称)東松戸複合施設に整備予定の図書館は、資料貸し出しが中心である分館とは異なり、約1,000平方メートルと広い施設を予定しておりますことから、分館の機能に加え、課題解決支援や地域交流支援などの機能を持つ地域の中核としての役割を担う地域館として計画しております。したがいまして、御質問の予定の蔵書数につきましては、現在の分館の平均約2万3,000冊を大きく超え、松戸市図書館整備計画で示す5万冊を確保した上で、さらに増やせるように準備を進めているところでございます。

 本市といたしましても、より多くの蔵書が確保できますよう書架の配置等を工夫していくほか、郷土資料や地域資料の充実に向けて努力してまいります。

 次に、建物内の階段などの配置計画についてでございますが、(仮称)東松戸複合施設には、建築基準法の規定により2か所以上の直通階段を設置しなければなりません。したがいまして、設計を進める中で、2方向からの避難距離を考慮したこと、さらに、本施設は複合施設であることから、1階の図書館と2階の青少年プラザがうまく連携し、お互いに機能面でも相乗効果が図れることを意識し、吹き抜けとともに図書館内にも階段を配置する計画といたしました。

 具体的には、図書館で借りた資料を2階の学習施設で活用したり、図書館の事業や講座、イベントなどを2階のコミュニティスペースで開催したり、青少年プラザから階段でおりると図書館の青少年向けのコーナーに行けるなど、複合施設ならではの動線に配慮した計画としています。

 次に、(2)人材確保・育成についてでございます。

 本市の図書館に勤務する職員のうち司書有資格者の割合は、平成31年4月1日で正規職員29名うち司書有資格者9名であり、割合は約31%となっております。

 また、千葉県公共図書館協会の統計によりますと、平成30年4月1日現在、千葉県市町村全体で正規職員570名うち司書有資格者300名、割合は約53%となっており、人口40万人以上の近隣市の状況につきましては、市川市が正規職員53名うち司書有資格者36名、割合は約68%、船橋市が正規職員29名うち司書有資格者16名、割合は約55%、柏市が正規職員21名うち司書有資格者10名、割合は約48%、千葉市が正規職員110名うち司書有資格者32名、割合は約29%となっております。

 図書館司書には、ただ単に新しい本を選定、除籍するなど蔵書を管理するだけでなく、議員御指摘のとおり、来館者の要望に応じ、来館者の調べたいことなどについてレファレンスサービスを行うスペシャリストとしての役割もあり、本市図書館といたしましても、今後さらに図書館機能を充実させる上で、雇用形態にかかわらず、スペシャリストとしての司書が必要であると考えております。このため昨年度より、希望する職員については、聖徳大学で実施されている司書講習に派遣し司書資格の取得に努めております。また、現在図書館には経験の浅い若手職員が多く、経験豊富な司書の退職に伴い知識の継承が難しい状況にもなっております。そのような中、図書館では、職場外研修に積極的に職員を派遣しているほか、さまざまな職場内研修を実施するなど、職員全体の育成にも努めております。

 今後も、継続的な職員のキャリア形成を考え、それぞれの段階で身につけるべき技術や必要知識を明確にした研修体制を整え、多様なサービスで人と情報の橋渡しをする図書館を目指し、これらの役割を担える職員を育ててまいりたいと考えております。

 なお、専門職の正規雇用につきましては、現在本市では、図書館限定の専門職として司書を採用しておりませんが、司書資格を持つ職員を積極的に図書館に配置するよう関係部署に要望しているところでございます。

 教育委員会といたしましても、高度化・多様化する図書館サービスに対応するため、意欲と資質を持った職員が経験を積めますよう環境整備を図るとともに、今後とも関係各課との協議を進めてまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。

     〔関聡病院事業管理局長登壇〕


◎病院事業管理局長 質問事項2.質問要旨(1)総合医療センターでの甲状腺エコー検査の実施の考えについて答弁申し上げます。

 甲状腺超音波検査事業につきましては、本市の健康推進の施策としての重要性を鑑み、重篤な患者や小児の急患の診療を行いつつ、平成26年度より可能な限り対応してきた経過がございます。

 しかしながら、平成29年度以降、小児の内分泌系の医師が1人に減ってしまったため、患者の診療を優先せざるを得ず、当該検査を行うことができる十分な医師の配置体制をとることが困難と判断し、やむを得ず検査事業の受託を辞退し、今日に至っております。

 また、総合医療センターに移行してからは、従前よりも急性期病院としての役割が強くなっているため、甲状腺超音波検査を含む検診事業につきましては、他の医療機関で検査を受けていただき、疾患が確認された患者について当院での診療を希望する場合、診療を行う方針をとっております。

 今後、当該業務を担うことが可能となる医師の確保及び体制が整いましたならば、検査の再開について改めて協議してまいりますので、御理解賜りたいと存じます。

 以上、答弁といたします。

     〔入江広海健康福祉部長登壇〕


◎健康福祉部長 質問事項2.質問要旨(2)につきまして御答弁申し上げます。

 甲状腺超音波検査事業は、平成26年6月より、福島第一原発事故による放射性ヨウ素の初期被曝に対する健康不安の軽減を図ることを目的に、検査の実施と費用の一部助成を行う事業として実施しております。

 事業開始当初は予想を上回る検査希望者への対応のため、旧市立病院に加え、千葉西総合病院の協力を得て実施しておりました。平成27年度からは旧市立病院に一本化して実施しておりましたが、新病院への建て替え・移転準備に伴い、29年6月から新松戸中央総合病院に委託し実施しております。

 先ほど病院事業からは、医師の配置状況から現時点での本事業の受託は難しいこと、しかしながら体制が整えば検査再開について協議をするとの御答弁がありました。

 本事業の継続性の観点から、松戸市病院事業及び総合医療センターの状況等を考えると、事業のあり方を見直す時期にあることを認識したところでございます。

 今後につきましては、検査の精度を担保し、かつ事業の継続性及び市民の利便性を鑑みた新たな検査体制の構築に向けて検討してまいります。

 以上、御答弁とさせていただきます。

     〔谷口宗弘建設部長登壇〕


◎建設部長 質問事項3.坂川の清流を取り戻すための対策について答弁申し上げます。

 坂川の水循環につきましては、清流ルネッサンスの取り組みにより、坂川河川網の河川はラバー堰などによって江戸川と分離させ、古ケ崎に集められた水は、江戸川河川敷内のふれあい松戸川を経由し、小山の揚水ポンプにより再び坂川にくみ上げ、柳原へ流れていました。そして、小山に設置された可動堰によってくみ上げられた水の一部を松戸方面へ還元水として流下させ、坂川の水循環を創出しておりました。

 この取り組みにより、松戸神社周辺の坂川では、メダカやアユの生息が確認できるまで水質の改善が進み、平成23年に清流ルネッサンスの目的を達成いたしました。また、地域が主体となった河津桜まつりや献灯まつりなど、坂川を軸とした数多くのイベントも開催されるようになり、水辺ににぎわいが戻り、市民に愛される坂川へ生まれ変わりました。

 近年、相次ぐ施設の不具合により、小山からの還元水の滞りによる見た目の悪さから、清流ルネッサンスの目標値は維持しておりますが、昨年来、水環境への改善要望を多数いただいております。このため、坂川河川網の水辺環境の維持向上を図るための方策を検討するため、施設管理者の国、河川管理者の県、そして松戸市を含む地元自治体による坂川河川網検討会を立ち上げ、水環境改善に向けた検討を開始いたしました。

 ことしの6月からは、川の流れを創出するため、現在稼働している河川施設を最大限活用した試行運用を開始し、10月中旬まで継続する予定でございます。この試行運用では、小山からの還元水量及び小山と赤圦にある堰高を変化させ、水環境の大きなファクターである流速、流向、水質の変化を調査いたします。また、市民の方の感覚による見ばえの評価をアンケート形式で実施し、これら二つの結果をもとに11月に検討会を開催する予定でございます。

 検討会では、試行運用の成果を取りまとめ、最適な運用方法を設定し、既存施設を利用した最善な水の流れを創出したいと考えております。そして、その結果につきましては、年内をめどに地元の皆様へ説明を行いたいと考えております。さらに、年間を通して、こうした坂川の流れを皆様に見ていただき、評価をいただきたいと考えております。

 本市といたしましても、江戸川河川事務所、東葛飾土木事務所とともに、坂川の水環境の改善に鋭意努力しておりますので、御理解賜りたいと存じます。

 以上、答弁とさせていただきます。

     〔高橋正剛総務部長登壇〕


◎総務部長 質問事項4.原子力災害における水戸市民の県外避難に関する協定について、質問要旨、その後の進捗状況についてに答弁申し上げます。

 現在、千葉県、茨城県及び水戸市と調整を行っている状況でございます。議員御指摘のとおり、一日も早く実効性のある避難計画策定が実現できるよう、今後も継続して千葉県、茨城県、水戸市及び近隣市とともに連携し調整してまいります。

 以上、御答弁とさせていただきます。

     〔DELI議員登壇〕


◆9番(DELI議員) それぞれ御答弁ありがとうございました。それでは、幾つかの再質問と要望を述べさせていただきます。

 まず、要望から先に述べさせていただきます。

 まず、質問事項2の甲状腺エコー検査の助成についてです。

 (1)の総合医療センターでの検査実施については、小児の内分泌系の医師が1人に減ってしまったため、患者さんの診療を優先せざるを得ないという状況で、やむを得ず検査事業の委託を辞退しているということがわかりました。以前は新病院の建て替え・移転準備等のためにできないということだったと思うので、ある程度落ちついたらまた協力してもらえるんだろうなというようなことで、健康推進課の方々も当てにしたところもあったのかなというふうに思いますが、改めて通常の状態に戻っても、当分の間検査が実施できないであろうということになれば、やはりそろそろ違う方法も考えたほうがいいのではないかというふうに思います。

 そこで、(2)の今後の方針について前向きな御答弁ありがとうございました。

 本事業の継続性の観点から、事業のあり方を見直す時期にあると認識していただいているということで、さらに検査が受けやすい体制とするために、先ほど提案したように、新松戸中央総合病院で検査したデータを持ってほかの医療機関でも検査結果を受けたものに対して、償還払いでも構わないので、助成が受けられたり、ほかの医療機関で検査を受けた結果を持って新松戸中央総合病院で結果説明を受けられないかなども含めて、しっかりと検査の精度を担保し、かつ事業の継続性及び市民の利便性を鑑みた新たな検査体制の構築に向けて検討していっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 続いて、質問事項3.坂川の清流を取り戻すための対策については、現在稼働している河川施設を最大限活用した試行運用を10月中旬まで継続して、その試行運用の成果を取りまとめて、アンケート調査の結果なども踏まえて、最適な運用方法を設定する検討会を11月に開催していただけるという予定だということがわかりました。結果についても、年内をめどに地元の皆様へ説明を行うということで了解いたしました。

 さらにその後、年間を通してこの流れを皆様に見ていただき、評価をいただきたいと考えているということなので、こちらのほうもよろしくお願いいたします。

 続きまして、質問事項4.原子力災害における水戸市民の県外避難に関する協定については、再質問させていただきます。

 現在、水戸市側からなかなか返答がない状況の中で、千葉県、茨城県及び水戸市とも調整を行っているということで、松戸市側からも働きかけをしているというような御答弁をいただいたんですけれども、この問題は、私も同じ会派の岡本優子議員も、再三、去年の12月、ことしの6月とその進捗状況を伺っているわけです。その際に、今の御答弁もそうですし、きのうの岡本優子議員への答弁の中にも含まれていたのかもしれないというふうに思われるんですけれども、具体的な話は一切いただけませんでした。ヒアリングの際もこの議場でもいただけませんでした。きのう岡本優子議員のほうから紹介のあった、あれは新聞報道なんですね。私も知らなかったので確認してみましたら、あれは水戸市側からのリリースなんです。どういう内容かというと、新聞報道によれば、水戸市は実施要領の素案を9月定例会明けに東葛6市に提出する予定で、本年度中の計画策定を目指していると。これは私達が議場で聞いていることよりもかなり具体的な話なんですね。しかも、これは新聞報道によれば水戸市側からのリリースということになっています。水戸市側からのリリースということになっているんですけど、まずそこで、このスケジュール的なことというのは松戸市は聞いていたのでしょうか。もしきのう岡本優子議員の質問の中でということで知ったのであれば、そういった具体的なことを盛り込んで今御答弁いただきたかったかなというふうに思うんですけど、今の御答弁もそういった具体的な話は入っていませんでした。

 きのう聞いた時点で、例えば水戸市側に、これは本当に水戸市側のリリースなのか、松戸市としてその話を聞いていないのであればそういった問い合わせというのはしていただいたんでしょうか、その2点、お答えください。議会の議員の質問は一体何なのかというふうに思ってもしまうので、新聞報道のほうが詳しいというのはちょっとどうなのかなと思いますので、その辺についてお答えください。

 続いて、質問事項1.図書館についてです。

 (1)の(仮称)東松戸複合施設についての蔵書数については、現在の松戸市の図書館全体における蔵書冊数約59万冊は、政令指定都市、特別区を除く人口40万人以上の全国の自治体の中で最も少ない状況であり、平均値である約113万冊の約半分と大きく下回っているということが明らかになりました。

 階段については、建築基準法の規定に基づき、2か所以上の直通階段を設置しなければならず、設計を進める中で、2方向からの避難距離を考慮して図書館内への階段の配置を決定したということは了解しましたが、東松戸図書館の所蔵冊数は、先ほども言いましたけど、最低10万冊ぐらい必要なんじゃないかという意見も聞いています。幾らこれまでの貸し出しを中心とした図書館から滞在型の図書館としての新たな機能を担う予定であるといっても、蔵書数が、先ほど5万冊は確保してという御答弁でしたけど、5万冊ではちょっと少な過ぎると思いますし、さらに蔵書数を増やせるように準備を進めていただいているということなので、本当により多くの蔵書を確保できるよう、書架の配置等を工夫していくほか、郷土資料や地域資料の充実に向けても努力していただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 (2)の人材確保・育成については、再質問させていただきます。

 御答弁では、図書館に勤務する職員のうち司書有資格者の割合は、平成31年4月1日現在で正規職員29名うち司書有資格者9名となっており、割合は約31%となっていて、千葉県公共図書館協会の統計によると、30年4月1日現在の正規職員に対する司書有資格者の割合は、千葉県市町村平均が53%となっており、県の平均から見てもかなり低い水準となっています。そして、人口40万人以上の近隣市の状況を見ると、市川市が68%、船橋市が約55%、柏市が約48%、千葉市が約29%となっておりますが、千葉市は職員が100人以上います。そもそも職員の数が多いということもあるようですけれども、いずれにしても、同規模の自治体と比較しても、依然として低い水準であるということがわかりました。

 さらに言うと、先ほど私のほうで紹介させていただいた松戸市の平成26年度末の時点の状況は、司書の割合こそ31%と横ばいですが、32名から29名ということで、補充がなかったのか、その26年度当初より正規が減少しています。つまり、図書館整備計画を策定してこれからこういう図書館像を目指していこうということになった後にもかかわらず、ただでさえ県内でも全国的に見ても低い水準がさらに低下しているという状況になってしまっています。

 少なくとも、従来のやり方ではこの課題は解決していかないのかなというふうにも思います。もちろん、派遣やさまざまな職場内研修を実施するなど、職員全体の育成に努めていらっしゃるというのは理解しましたけれども、図書館としても、現在経験の浅い若手職員が多く、経験豊富な司書の退職に伴い知識の継承が難しい状況になっているということで、スペシャリストとしての司書の必要性、特に経験豊富な司書の必要性は感じられているのかなというふうにも思います。その上で、専門職の正規雇用についても、現在本市では図書館限定の専門職として司書の採用はしていないけれども、司書資格を持つ職員を積極的に図書館に配置するよう要望はしていて、今後も関係各課と協議を進めていきたいとのことでした。

 そこで、正規の司書の増員について、新卒の採用とともに司書の中途採用などの予定がなければそういう方法は考えられないでしょうか。ベテランの司書がいらっしゃらないということをおっしゃっていましたけれども、司書の経験年数で言えば、例えば浦安市で言いますと、正規職員はほぼ全て司書です。しかも、20年、30年のベテランの方が20名以上いらっしゃる。しかし、松戸市では、ヒアリングを通してわかったんですが、一番長い方で6年程度、10年、20年のベテランと呼ばれる司書は現在1人もいないということです。ベテランの司書の方の増員についても考えられないか、市のお考えをお聞かせください。

 以上、大きく2点、再質問いたします。御答弁のほどよろしくお願いいたします。

     〔片田雅文生涯学習部長登壇〕


◎生涯学習部長 質問事項1.図書館の再質問について御答弁いたします。

 議員御指摘の経験豊富な司書の必要性につきましては、私どもも認識しているところでございます。したがいまして、先にも御答弁いたしましたように、今後、関係各課とさまざまな雇用形態も含めて協議してまいりたいというふうに考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。

 以上、御答弁とさせていただきます。

     〔高橋正剛総務部長登壇〕


◎総務部長 質問事項4の再質問にお答え申し上げます。

 水戸市の協定の関係で、スケジュールを聞いていたのか、また問い合わせをしたのかという御質問かと存じます。

 まず先に、問い合わせの件につきましては、危機管理課のほうで8月の上旬に問い合わせをした段階では、予定なしとの回答を得ているというふうに報告を聞いております。その後、8月の下旬に水戸市よりメールによって、10月ごろより説明に入りたいというメールが届いたというふうに報告をいただいております。その詳細につきましてはまだ決定していないので、この後詳細について連絡が来るというような報告でございました。

 いずれにいたしましても、議会のほうから御質問いただいている内容でございますので、進捗につきましてはしっかりと御報告をさせていただくようにさせていただきたいと思っております。

 今回、いろいろと御信頼を損ないかねるようなことがあったことは申しわけないと思います。

 以上でございます。

     〔DELI議員登壇〕


◆9番(DELI議員) それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず、質問事項4の原子力災害における水戸市民の県外避難の協定についてです。8月の末の時点でのお話、確認をしていたその時点では未定だったんだよというのがわかったんですけれども、これ、きのう議場で岡本優子議員が紹介しているわけです。本当に再三先ほどから言っているとおり、私も12月から質問していますし、6月から質問しています。中身がきちっとできていないのに器だけできてしまっている、できない約束になってしまっているんじゃないかということで、一日でも早く実効性のある避難計画にしていただくためにも、どういうふうに内容を詰めていくのか、どういうスケジュールでやっていくのかということを再三質問しているわけです。きのうそういう執行部とのやりとりでも確認できないような事実が、新聞報道なりなんなりでこの議会で示されたんであれば、それを確認するべきじゃないですか、まずは。これ本当に水戸市側からのリリースなのか、新聞でこうやって報道されているけど。聞いていないんであれば、松戸市は聞いていないよと、そういうことを本当は聞いていただきたいなと、聞いていただくべきなんじゃないかなと思います。

 この東海第二原発は、日本で一番人口が密集している地域に立地している原子力発電所です。30キロメートル圏内に約96万人の住民がいて、ここで本当に実効性のある避難計画をつくることはできないのではないかとも言われているんです。そして、避難協定締結時に水戸市長は、広域避難計画の策定なしに再稼働は認めないと明言されています。これは、広域避難計画なんてつくれないから再稼働も認められないよともとれますが、広域避難計画が策定されれば再稼働を認めざるを得ないよともとれるわけです。

 きのうの岡本優子議員とのやりとりで、「再稼働を前提とした協定ではない」という文言をホームページに掲載するかしないかで、東葛6市の中にはやっているところもあるけれども、松戸市は掲載するつもりがないというような趣旨の答弁があったかと思いますが、あくまで人道的な見地からというのであれば、言葉も大切ですけれども、私はなおさらきちんと行動で示してほしいなというふうに思います。それは、実効性のない避難計画でも、つくってしまえば再稼働につながる可能性があるというわけですし、そしてそのままその状態で原子力災害が発生すれば、実効性のない避難計画によって被害をこうむるのは水戸市民であり、受け入れる側の松戸市民です。つまり、ホームページに「再稼働を前提とした協定ではない」とたとえ言ったとしても、実効性のない計画なんてつくったら、それはもう間接的にでもそういう非現実的な再稼働に加担してしまうという可能性があるという自覚は持ってほしいんです。ですから、絶対に実効性のある計画にしなければなりませんし、そういうスケジュール的なものに対してももうちょっと敏感に反応していただきたいなというふうに思います。もう本当にもしそれができないのであれば、このスケジュールだけ決められても、逆に人道的な見地からそんな協定は締結してはいけないんじゃないでしょうか。

 いずれにしましても、水戸市側からの素案が提出されてから今後どういうふうに具体的なことを詰めていくのかということが重要になってくると思います。一日でも早く実効性のある避難計画策定が実現できるように、今後とも千葉県、茨城県、水戸市及び近隣市とともに連携して調整していっていただきたいと思います。私たちもしっかり動向を注視していきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 最後に、質問事項1です。御答弁のほう、ありがとうございました。今後も関係各課とさまざまな雇用形態も含めて協議していきたいということでした。

 これは人事についてのことなので、なかなか図書館とか生涯学習部のほうだけでは決められるものではないというのはわかりますけれども、さまざまな今示した指標とされる数値を見ると、今の状況はかなり深刻だなというふうに言わざるを得ません。それに、司書の数、司書の確保だけでなく、人材育成は喫緊の課題です。本気で人材を育成するには、外部の研修に頼るのではなく、内部で育てるという意識が必要だと思いますし、外部の研修で学んできたことを現場で生かすには、上司の理解や環境整備も重要だというふうに思います。そういったことを考えると、やはり経験のある司書がほとんどいない状況は何とかしないとならないのではないかというふうに思います。今回、そういう部分での認識は図書館側とは共有できたのかなというふうに思います。実際、司書資格を持つ職員を積極的に図書館に配置するような要望であったりとか、ヒアリングでは、東松戸に地域館ができるということで、職員の増員等も要望はされているようですが、具体的な話は聞こえてきません。

 今後、雇用形態も含めた司書の採用等については、人事のことということもあるので総務部にも質問していきたいなというふうに思います。その際には、ぜひ市長や教育長の御見識などもお聞きしたいところです。

 いずれにしましても、松戸市図書館の最大の問題は、繰り返しになりますが、専門職が少なく、しかもベテランがいないという点です。せっかくすばらしい図書館整備計画をつくっていただいているわけですから、その松戸市が目指す図書館像を実現するためにも、課題解決に向け、関係各課お力添えをいただきますようよろしくお願いいたします。私も引き続きこの問題を追っかけていきたいというふうに思います。

 以上で私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)