[0088]9月定例会最終日

投稿日: 2017/09/25 21:38:11

9月25日は9月定例会最終日で議案等の採決が行われました。DELIは決算の認定についての討論で会派を代表して登壇しました。そして注目の集まっている伊勢丹との契約履行の為の債務負担行為についても委員会で修正案が出されましたがこちらも討論、採決され、やはりどの会派の議員も伊勢丹(一企業)への約10年で20億円を超える実質支援である事や、財源を公共施設の再編によって捻出するなど、到底認められないという事で修正案が可決されました。

(決算の討論原稿)

認定第1号平成28年度松戸市一般会計歳入歳出決算から認定第9号平成28年度松戸市水道事業決算についてまでは、委員長報告に賛成し、認定第10号松戸市病院事業決算の認定については、委員長報告に対し反対の立場で討論を行います。

まず松戸市の平成28年度歳入決算総額は、1590億6419万円で、前年度比3.9%増となっていますが、主な理由は、土地開発公社解散に伴う、用地買い戻し等による市債の増や市税の増によるものです。市税の収納状況は、26年度96.0%、27年度96.4%、28年度96.8%です。

担当課職員のきめ細かな税務相談や滞納分の分割納付、訪問による徴収などの努力によって厳しい経済環境のなかでも一定の成果を上げているものと評価いたします。

個人市民税全体については、前年より0.6%プラスで金額にして2億円の増。法人市民税は全体で前年より0.51%マイナスで金額にするとこちらは約2億円減少しています。

市内製造業は決算で1360万円減、金融業も1960万円減と落ちこんでいますが、不動産業は3000万円増となっております。

地方債残高は約1141億円で、実質公債比率は、26年度で0.8%、27年度は0.2%、28年度0.9%と悪化傾向にあります。

一方、歳出決算額は、総額1530億1984万円となっており、歳入歳出差し引き後の実質収支額は、57億6345万円で、前年比19.7%の減となっています。

最終予算に対する執行率は、歳入は、100.4%で前年から1.2ポイント減少しております。

歳出は、96.8%と前年度と同様で、歳出不用額は50億円となっておりますことから、不用額が減少しております。

以下、歳出について主な項目について意見・要望を申し上げます。

総務費では、市民サービスを提供する市職員の健康診断の要精研検査の割合が30%を超えています。高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病は、複数重なると脳卒中、心臓病、ガンなどの要因になります。業務量の増加による長時間労働は、ストレス、不規則な睡眠、過度な飲酒、偏った食事など生活全体に影響を与えます。市職員病休者の状況は、30日以上が48人で前年度より9人増えて、平均日数も64.8日と6.2日増えています。さらに、病休者の48人中22人が、精神疾患であり、前年度より11人も増えています。特に、福祉長寿部7人、子ども部14人と特出して年々増加しています。この数字を見ると個人の問題による病休ではなく、以前から指摘している業務量と職員配置に原因があると思われます。介護と子育ては、松戸市の重要政策であることから、業務実現の責任感を押し付けて長時間労働させたストレスが職員の病休者が増加している原因であると指摘いたします。これは個人の健康管理問題でなく、組織の問題であり、業務量と職員適正配置を強く要望しておきます。そして、人材育成の研修については、全体の予算1500万円余りに対して、パワハラ、セクハラなどの人権研修と職員のメンタルヘルスなどの健康研修は、わずか17万円の執行で2.3%と大変低いものになっています。今後は、検討したいとのご答弁でしたので、予算増額も含めて内容の充実を要望しておきます。

協働のまちづくり推進事業についてですが、協働とは、市民と行政それぞれが得意な分野を担い、共に一つの仕事をやり遂げること。そこには市民自身の自治力が求められます。であるとすれば、まだ松戸市民の自治力アップのために、更に取り組んでいく必要があると思います。昨年度は協働事業が少なく残念でしたが、中には非常に力をつけている市民団体もあるようですので、その良さが自然体に波及していくよう、今後も引き続き、意識啓発に力を入れてほしいと思います。

文化の香りのする街推進事業は、まつどのイメージアップを図る事業だと認識しています。アートは表現であり、自由で多様なものであると思います。そう考えると、今後、特に子どもの参加型イベントや作品展示を多くするなどしてはいかがでしょうか。

松戸のまちづくり自体には多くの課題がありますが、個々のアート関連事業がミクロであれば、まちづくりはマクロ。それぞれが連動して、イメージアップまたはレベルアップできるよう期待しています。ただ、行政主導でやるのか、任せるのか、得意・不得意を見極めて効率よく進めることも肝要ではないかと思います。

民生費は地域ケアシステム推進事業の要援護者台帳整備業務の名簿登録の更新状況、また名簿の貸し出しやマッチングの状況についてもお聞きしました。名簿登録が必要な方へのはたらきかけは、町会・自治会だけでなく、介護のケアマネージャーなどの関係者へ働きかけ、多方面から要配慮者へ制度を周知していただけるよう取り組んでいくとの事でした。発災時には、名簿登載されていない要支援者の情報も開示される事にはなっているとは思いますが、いきなり災害時に情報だけ得てもなかなかうまく避難ができるものでもないと思いますし、できるだけ支援が必要な方には制度を理解していただき名簿登録をしてもらえるようなはたらきかけを続けていって欲しいと思います。また、名簿貸し出しは民生員は100%という事だったんですが、町会自治会へはまだ4割程度だという事で、貸し出しが進んでいない理由は町会そのものの状況など様々あるようですが、中には名簿を活用し、要支援者を支援する方のマッチングを行い、要支援者のお宅を訪問し、避難訓練への参加を呼びかけ、制度運用の具体的な説明を行っている町会もあるという事なので、ぜひそういう町会自治会のやり方なども参考にして、今後貸し出しが進んでいない地区への情報共有をするなど、地域の安心・安全体制を強化できるよう働きかけを行っていただきたいと思います。

子ども・子育て政策推進事業については、PR動画の費用対効果はどう評価してるかなどを聞きました。最終的には子育て世代の流入に繋がるという事が目的だとは思いますが、なかなか子育て世代の人口増加に繋がるのは難しいとは思います。ただきちんと需要がある所にリーチしてるかの検証は必要だと思います。松戸DE子育てへのアクセス数も月平均で2万増って事ですが、これも効果的なプロモーションになっていれば、もっとアクセス数が増えてもいいのではないかと思います。商品を売る様なものプロモーションと違って、なかなか効果が見えにくいと思いますが、届けたい層に届けられてるのか?というのはきちんと目標値などを設定して進めていってください。

それから子どもの貧困対策推進事業は、まずは実態調査が必要という事で今年度はアンケート調査も実施されると思いますが、そういったものを活かして、できるだけはやく直接的な支援や取り組みが行われるようよろしくお願いします。

続いて衛生費は環境意識向上事業について、松戸に東京外郭環状道路が今年度中に開通とのことで、便利になる反面、松戸の環境の悪化・交通事故の危険性が増すかもしれないと、危惧しているところでもあります。松戸市の環境度は、真ん中くらいで、都市部にしては自然が多めに残っている地域と評価されているとのことでした。しかし一方では宅地化もどんどん進んでおり、徐々に自然は失われています。

昨年度は国の助成金を使って子ども向けの意識啓発の冊子を作成したとのことでした。低学年向けでイラストがほとんどで、概ね良かったのですが、紹介する施策と、それに連動させた受け皿の紹介があったらもう少し良かったと感じました。次回はもう少し工夫し、夏休みの宿題にできるくらいの事業にして欲しいです。

同じ環境問題では、公園等の放射能除染については、これまで何度も述べているのであえて申しませんが、大事なのは的確な測定の数値と対応だと思います。それでこそ安心が得られるはずだと考えており、これからも要望していきます。

また松戸市は、戸定邸を始め、斎藤邸、二十世紀の森や森のホール・博物館、など多くのポテンシャルを内在しています。しかし、それぞれは頑張っているとしても、駅前の清潔感が薄かったり、それぞれへのアプローチやアクセスが悪かったりして活かしきれていません。まちづくり全体の問題とも絡むので、今後の市長の手腕が問われるところでもあると思います。今後に期待します。

新病院周辺整備事業については先般の一般質問において、公明党の城所議員から要望がありましたが、新市立病院周辺交差点において「音響信号の設置や点字ブロック整備を求める要望」が、盲導犬を普及させる会から挙がっていることについて、その対応状況を分科会で伺いました。答弁では、音響信号や点字ブロックについて整備する予定は現状ではないとのことでした。この点、最近になるまで、病院近辺のどこに処方箋を受け付ける薬局が出店するかわからない状況でしたので、音響信号や点字ブロックの整備が出来なかったのだろうと理解します。現在は、薬局等の所在地が明らかになっておりますので整備する環境も整ったかと思います。誰にとっても優しい新病院を目指して、当事者の声によりそい、早期の音響信号や点字ブロック整備を要望いたします。

それから消防費については、救急車の出動件数が増えているという事でした。特に八ヶ崎消防署は、37%も増えています。その為救急隊を1隊から2隊に増やしたとのことでした。そして、1隊増やした人員は、事務職を減らして編成したとの答弁でした。その影響は、消防職員の年休取得に現れて減少しています。消防職員は、市民の生命と財産を守るために、24時間の拘束勤務によるストレスや交代制勤務などで健康管理が大変重要であると思います。

松戸市消防は、国の消防力の指針に対する割り合いが船橋市や市川市に比べて10%低い82%です。船橋市や市川市より、消防職員数が50人ほど少ない状況です。消防は、人の命に関わる重要な業務であり消防職員自身も命の危険と背中合わせです。

消防局長の答弁では「費用をかけない」で1隊を増やしたという事でしたが、このような努力をさせている松戸市役所の状況を検討するよう要望いたします。

続きまして、認定第9号平成28年度松戸市水道事業決算についてです。集合住宅への給水方式は、受水槽方式と水道直結方式との2種類があります。これまで多くのマンションで採用されてきたのが、受水槽方式です。この方式では、各自治体の水道から供給された水をいったん建物内の水槽に貯めてから、増圧ポンプや高架水槽を介して各住戸に配水しています。しかし最近では、東京都をはじめ少なくない自治体が貯水槽を介さない水道直結型を推奨しています。水道直結型を推奨する理由として、「受水槽方式では、水槽内の衛生状態を懸念する声があること」や「受水槽を設置する必要性がないため『設置するスペースが省けたり』『受水槽への定期的な点検をする必要がなくなる』こと」が理由として挙げられます。

このような背景のなかで、分科会において、松戸市水エリアにおける昨年度までの集合住宅への水道直結化の実績と今後の傾向を質問しました。答弁では、これまでに143件存在し、年々増加傾向とのことでした。

受水槽を経由しない水道直結方式はデメリットも指摘されています。それは、災害発生に伴い急に断水となった場合でも、貯水槽があればしばらくの間は飲料水を確保することができますが、直結型では別の対応が必要となります。

市水エリアにおいて水道直結化集合住宅が一定数あり且つ増加傾向にあるということは、県水エリアにおいても同様な傾向があると思われます。

危機管理上、災害時の飲料水確保という観点から、市内の水道直結化集合住宅の実態調査を行い、必要があればその対策を講じる必要があるのではないかと思いますので、ご検討をよろしくお願いします。

続きまして、認定第10号平成28年度松戸市病院事業決算については、こちらは反対とさせていただきます。反対理由としましては、市立病院事業、東松戸病院事業とも、経営指標の柱である医業収益において、当初予算額から、市立病院事業で約9.7ポイント、東松戸病院事業で、13.2ポイントも少ないこと。また、第一次松戸市病院事業経営健全化計画の主たる指標と比較しても大きく計画値には届かないこと。さらには、その原因についても、ほぼ毎年出る課題解決がほとんどできていないからであります。

特に、新病院開設を3か月後に控える市立病院事業について、その医業収益の根本をなす入院収益が、大きく振るわないことは大変に心配であります。

今回の28年度決算値は、一日平均入院患者数430人でしたが、28年度の計画値では513人です。これだけ計画からずれているのを新病院開院3年後には90%稼働、すなわち一日540人にしなければなりません。

大変なことは容易に想像できます。早急なる改善に取り組んでいただきたいと思います。

その他の特別会計については、適正に執行しているものと判断し賛成いたします。