令和4年6月定例会(6月16日)

◆9番(DELI議員) 皆さん、こんにちは。会派、立憲民主党・無所属のDELIです。

 それでは、時間もないので、端的にお伺いします。

◇まず、質問事項1.松戸市民PCR検査助成事業についてです。

 松戸市では、全市民対象のPCR検査助成事業を実施していますが、基本、償還払いになっています。昨年度から受領委任払い方式、いわゆる窓口での支払い不要で、立て替える必要がない形でのPCR検査が受けられる医療機関を増やしていただいているというふうに思いますけれども、そこで、さらにこれを広げていただけないかという質問です。

 特に、松戸駅西口の駅前にあるPCR検査センターで、この受領委任払い方式、窓口支払い不要の方式ができないかということについてお答えください。

◇続きまして、質問事項2.新型コロナウイルス感染症の後遺症対応について。

 コロナ禍も3年目に入りました。昨年末までに、国内で報告された感染者は約170万人でした。今年に入ってから、まだ半年足らずでもう700万人以上もの感染が御報告されていて、累計の感染者は既に900万人を超えました。また、新型コロナウイルスによる国内の死者は、2020年の2月の初めに初めて確認されて以来1万人を超えたのは昨年の4月26日まで438日かかっていました。その後、291日かかって今年の2月11日に2万人を超え、3万人を超えるまでには僅か91日しかかかりませんでした。

 これだけ感染が広がれば、家族や友人、知人にも感染して、回復している方というのも出てきていて、オミクロン株は弱毒化したような感覚をお持ちの方というのは少なくないのかなというふうに思うのですけれども、数字で見ると、感染者数の最も多いオミクロン株の流行というのは、死者数についても最も多くなってしまっています。

 また、感染者が増えることでさらに表面化してきた問題が後遺症対応です。感染者の少なくとも1割の方が医療のケアが必要な後遺症の症状を示すという報告もあります。

 松戸市では、既に3万人を超える、今は3万8,000人ぐらいですか、感染者が出ていますので、そう考えると、3,000人もの方が後遺症に悩まされた、悩まされている可能性があると思うのですけれども、しかし、それだけの数の後遺症の方々が適切な診療を受けられる環境というのは松戸市には恐らくありません。そして、この後遺症に悩まされる方々というのは、今後増えていく一方だと思います。

 第1に、調査を行い、松戸市における後遺症の実態を明らかにする必要があります。そして、第2に、その方たちが診療を受けられる医療機関を設置する、そういった環境を整備する必要があると考えます。

 そこで質問です。

 (1)相談窓口設置について。

 現在でも松戸市では、ホームページ等で、後遺症を疑う症状に悩まされている方へ保健所やかかりつけ医に相談であるとか健康推進課に相談くださいということが書いてありますけれども、とても小さく、項目出しになっていないので、検索するとそこにたどり着けるのですけれども、なかなか自治体、行政のホームページとかを見慣れていない方には、そこにたどり着くのは難しいような形で掲載されています。

 もっとわかりやすく相談窓口を設置してお知らせできないかという質問です。内容として、受診できる医療機関等を御案内いただくと同時に、アンケート調査等を実施するなど、実態調査なども考えていただけないでしょうか。

 (2)周知について。

 後遺症について周囲からなかなか理解が得られず、無理解な言葉を投げかけられたりしてしまい、無理をして重症化したり、我慢をすることで精神的にも追い込まれてしまう、そういったおそれがあります。

 現在得られている知見を専門家が取りまとめた新型コロナウイルス感染症診療の手引き、別冊の罹患後症状のマネジメントが4月にまた改訂されて、厚生労働省で公表されています。

 医療従事者、そして市民に後遺症に関する知識等をその都度周知していただき、後遺症が重症化しないための予防策などを広報していくべきだというふうに思いますので、市民や医療関係者への認知度を高めるために、積極的な広報、周知を行っていくことはできませんでしょうか。

 また、正社員や非正規雇用で働く人が新型コロナウイルスに感染し、労災を申請した場合、厚生労働省は後遺症で労災を認定しています。医療従事者、介護従事者、またそうでなくても、勤務に関連してコロナに罹患し後遺症の症状を持つ方に対して、ぜひ積極的に労災を申請することができるということを周知、推奨していただきたいです。

 (3)後遺症患者の生活のサポートについてです。

 会社員であれば健康保険組合などで傷病手当がこの後遺症に関しても1年半出るのですけれども、自営業やフリーランスの方などの国民健康保険を使われている方の場合は、傷病手当金というのが一切ありません。後遺症の症状で仕事を継続することができずに、経済的に困窮してしまった方たちもいます。また、後遺症を診ている先生方からは、そのような方の自死なども報告されているんですね。こういった方々に何らかの経済的な支援を市として行うことはできないでしょうか。

 (4)後遺症専門外来設置について。

 本来は地域のクリニックなどで後遺症を診ていただけるようになるのがベストだと思うのですけれども、思うように拡充ができていないのが現状です。

 その理由として、まず診療報酬が少ないということ、非常に簡単な病気と同じような診療報酬になっていて、さらにこのコロナ後遺症は症状が多岐にわたるため診断に多くて30分ぐらい時間がかかってしまうこともあるようで、医療機関側のメリットが少ないということもあるようです。

 そこで、アとして、市内医療機関への助成や受け皿になっていただく必要性をもっときちんとお伝えするような働きかけというのを市として考えられないでしょうか。

 イとして、市内公立病院での後遺症専門外来設置についてです。総合医療センター、あるいは、令和6年度の廃止が決まっていますけれども、東松戸病院で少なくともそれまで、まずはオンライン診療科からとかでもいいと思いますので、この後遺症専門外来を設置することはできないでしょうか。

 以上、御答弁のほどよろしくお願いいたします。


○渋谷剛士副議長 理事者の答弁を求めます。

     〔大渕俊介健康福祉部長登壇〕


◎健康福祉部長 質問事項1.松戸市民PCR検査助成事業について及び質問事項2.新型コロナウイルス感染症の後遺症対応についての質問要旨(1)から(4)のアにつきまして順次御答弁申し上げます。

 初めに、受領委任払い方式につきましては、窓口での一時払いがなく、助成金の申請手続も不要となりますことから、市民の方々の利便性向上を図るべく、松戸市医師会と連携して市内医療機関への申し入れを行っているところでございます。4月から新たに1か所の医療機関に加わっていただき、5月末現在では、市内8か所の医療機関に受領委任払いの御対応をいただいております。

 また、感染拡大時における検査体制を強化する観点から、今年度におきましては、議員御案内の検査施設を含め、償還払いの実績のある医療機関への打診を行い、制度の導入に向けて調整を図っているところでございます。

 今後とも、市民の方々がより検査を受けやすい体制に向けて、医療機関への働きかけを行ってまいります。

 次に、新型コロナウイルス感染症の後遺症対応についてでございますが、(1)の相談窓口の設置、(2)の周知につきましては、関連いたしますので一括して御答弁申し上げます。

 罹患後症状、いわゆる後遺症についての相談は、以前から設置しております新型コロナウイルス感染症相談専用ダイヤルで受け付けております。現在の対応といたしましては、千葉県の相談体制に合わせ、まずはかかりつけ医や新型コロナウイルス感染症の診断を受けた医療機関を受診し、症状について相談をしていただくよう御案内しております。

 一方、医療機関の診察により医療的な対応の必要がないという結果であっても、罹患後に心身に不調を感じる方などの不安をできるだけ取り除けるよう、松戸市医師会と連携し、市の保健師が健康相談を受ける支援体制をとっております。

 後遺症は、本人だけではなく、家族や職場などの理解が大切となるため、本人の不安軽減と併せて周囲の理解促進につながるよう、広報まつどやホームページ等で情報を発信してまいりました。現在は、さらに多くの方に御理解いただけるよう、後遺症に関する知見、利用できる補償等を盛り込んだパンフレットを作成しているところでございます。

 また、実態調査につきましては、相談内容の傾向を把握した上で、松戸市医師会とも情報共有してまいります。

 次に、(3)後遺症患者の生活のサポートについてでございますが、新型コロナウイルス感染症の後遺症が原因で生活が困窮する方がいらっしゃることは報道などにより認知され始めております。しかしながら、その他の疾病やさまざまな事情により働けなくなり、同様の状況に陥る方がいらっしゃる中で、新型コロナウイルス感染症の後遺症のみを対象とした経済支援策を実施することは、公平性の観点から慎重に考える必要があると考えております。

 なお、後遺症に限ったことではございませんが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け家計が急変した世帯に対し、前年度から引き続き、国の臨時特別給付金10万円を給付しております。

 次に、(4)後遺症専門外来設置についてのア.市内医療機関への助成や働きかけについてでございますが、既に医師会の皆様には診療に御協力をいただいておりますが、ここに来て後遺症に関するお問い合わせが増えておりますことから、改めて御協力をお願いしているところでございます。

 以上、御答弁とさせていただきます。

     〔横須賀收病院事業管理者登壇〕


◎病院事業管理者 質問事項2.新型コロナウイルス感染症の後遺症対応についてのうち、質問要旨(4)、イについて答弁申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症は発生から2年以上が経過しておりますが、その後遺症につきましては、発生原因やその仕組みが明らかになっていないことが多く、呼吸器学会や循環器学会などの関連学会において調査研究等が行われているほか、国内外の研究者から発表される論文などにより新たな知見が集積されつつありますが、科学的根拠に基づき確立された治療法などは現時点で定まっておりません。したがいまして、多岐にわたる症状としてあらわれる当該後遺症に対する診療は、単独の専門的診療科は存在せず、それぞれの症状に応じた診療科で適切な検査や治療を行うことになります。

 そのため、厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の後遺症に対して、まず、かかりつけ医による対症療法などを第1次的に行うこととし、症状の改善が見られない場合、あるいは急な呼吸器症状があらわれたり各種検査で異常所見を認めた場合などは、その症状に応じた専門医や拠点病院へ紹介する仕組みを示しております。

 このことから、千葉県においては、かかりつけ医と専門医との連携を円滑にするため、新型コロナウイルス感染症後遺症相談医療機関の取り組みを実施しております。この取り組みは、後遺症を訴える患者からの直接の相談、診療などはかかりつけ医が担い、そのかかりつけ医からの相談及び紹介患者の診療は後遺症相談医療機関が担うという具合に、役割分担を明確化し体制強化を図る取り組みとなっております。

 総合医療センターでは、本年4月に後遺症相談医療機関を引き受けて以来、かかりつけ医による対症療法で改善が見込めない症状や対応できない場合に電話相談や患者の紹介を行っていただき、まずは総合診療科で診察した上で、症状によってはほかの診療科へ引き継ぐなどの対応を行っております。

 一方、東松戸病院では、かかりつけ患者が新型コロナウイルス感染症の後遺症を訴え受診した際には、第1次的な外来診療を行っており、東松戸病院では対応できない領域の疾患や専門的な検査などを必要とする場合は、総合医療センターを含めた後遺症相談医療機関に相談、紹介を行うなどの対応を行っております。

 病院事業といたしましては、国や千葉県が想定するかかりつけ医と専門医との連携による医療提供体制のもと、松戸市医師会と協力して新型コロナウイルス感染症の後遺症に対応してまいりたいと考えております。

 以上、答弁といたします。

     〔DELI議員登壇〕


◆9番(DELI議員) それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず、PCR検査助成事業については、感染が下火になっているときに検査数を減らしてしまうと、急激に感染が拡大したときにすぐに対応ができなくなり、PCR検査を受けにくい状況にまたなってしまいます。

 医療機関においては、感染拡大期に有症者がすぐに受検できるためにも、感染が下火になっているときは無症状者へのPCR検査として活用していく必要があると思いますので、そして、市民が検査を受けやすくするためには、償還払いではなく、窓口で一時払いなどのない受領委任払い方式を広げていっていただきたいです。

 特に、先ほど言いましたけれども、松戸駅西口駅前のPCR検査センターは予約も不要ですので、ここで無料でPCR検査が受けられるような環境になればさらなる活用が見込めると思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。

 続いて、後遺症対策についてです。

 新型コロナウイルス感染症罹患後に多くの人々が後遺症に苦しんでいるということは、世界中から報告されていて明らかになっています。しかし、その原因や治療法が確立していないということで、医師の多くも対処法等、全くわからないと言っても過言ではありません。

 したがいまして、多岐にわたる症状としてあらわれる当該後遺症に対する診療は、単独の専門的診療科は存在せず、それぞれの症状に応じた診療科で適切な検査、治療を行うことになるわけですけれども、専門的な診療科が存在しないからこそ、コロナ罹患という共通性をもとにした外来で診察し、各専門科へ振り分けるというような体制づくりが必要であり、それを切望しています。

 千葉県においては、かかりつけ医と専門医との連携を円滑にするために、新型コロナウイルス感染症後遺症相談医療機関の取り組みを実施していて、後遺症を訴える患者からの直接の相談・診療等はかかりつけ医が担い、そのかかりつけ医からの相談及び紹介状などでの紹介患者の診療を後遺症相談医療機関が担うという具合に、役割分担を明確化して体制強化を図る取り組みになっているということですが、このかかりつけ医という制度がどの程度機能しているのかというのが大変疑問です。

 後遺症の悩みや不安を抱える患者に対する診療とケアの手順が国内では標準化されていないことから、医療者側も後遺症に関する適切な診療ができなかったり、あるいは患者自身が後遺症と思わず医療機関を求めて転々とするケースというのが発生しているのです。後遺症は、本人だけでなく、家族や職場などの理解が大切であるため、本人の不安軽減と併せて周囲の理解促進につながるよう、広報まつどやホームページ等では情報発信していただいていると思うのですけれども、さらに多くの方に御理解していただけるように、感染症に関する知見、利用できる補償等を盛り込んだパンフレットを作成しているところということなので、これは本当に大いに期待しています。パンフレットを作成している自治体というのはあまり聞いたことがないのですけれども、東京都などが取り組んでると思います。そういった先進自治体や、あるいは監修されている後遺症患者を4,000人ほど診られているヒラハタクリニックの平畑先生なんかはSNSやユーチューブなどで積極的に情報発信されていますので、ぜひそのあたりも参考にしていただきたいなというふうに思います。

 松戸市は、医療機関での診療により医療的な対応の必要がないという結果であっても、罹患後に心身に不調を感じる方については、健康推進課にお電話いただければ、市の保健師が健康相談に応じて必要な支援をしていただけるということなので、作成するパンフレットなどでもこの点については十分周知していただけるようによろしくお願いいたします。

 また、実態調査については、ぜひアンケート調査等も検討していただきたいなというふうに思います。

 後遺症が周知されるようになると相談が増える、こういった可能性もあるんですけれども、まずは後遺症の疑いがある方が相談できるところがあるよということを周知していただいて、受診ができる医療機関を紹介できる、そういった仕組みを整備していっていただきたいというふうに思います。

 既に医師会の皆様には診療に御協力をいただいており、ここに来て後遺症に関する問い合わせが増えていることから、改めて協力をお願いしているということですけれども、ほかの自治体では後遺症外来を設置しているところも増えています。ぜひ松戸市では、わかりやすい後遺症外来の設置を総合医療センターであるとか東松戸病院で検討していただくことを本当に強く要望します。こういったときにぜひ市民に寄り添っていただけないと、何のための市立病院なのかなというふうに感じてしまいます。

 感染者が増えることでさらに表面化してきた後遺症問題なんですけれども、今後、先ほども言いましたけれども、感染者が増えていけば、この後遺症に悩まされる方というのは増えていくことが予想されます。まずは周知、そして実態調査、その上で対策という形で、きちんと市民の命と健康を守り、市民に寄り添う市政運営に市長には努めていっていただきたいなと強く要望いたしまして、私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)