令和2年6月定例会(6月11日)

◆5番(DELI議員) 皆さん、おはようございます。

 政策実現フォーラムのDELIです。

 それでは、早速、通告に従って順次質問していきたいと思います。

◇質問事項1.新型コロナウイルス感染者等の情報の取り扱いについて、端的にお伺いします。

 (1)松戸市民の感染者のうち、入院患者、退院患者、ホテルなどの宿泊療養者、そして自宅療養者がそれぞれ何名いるか把握していますか。また、発症してから平均何日で陽性が確認できているか、把握していますか。

 (2)学校における新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドラインの中の学校再開後の陽性者及び濃厚接触者発生時の保護者、学校関係機関の対応についてでは、第一報は保護者が学校に連絡を入れ把握し、そこから松戸市教育委員会、保健所へ報告が行くということになっていますけれども、保護者からの自己申告がない場合、学校や松戸市教育委員会は陽性者及び濃厚接触者の発生を把握する方法はありますか。

 (3)感染者が児童生徒に出た場合の消毒についてもこのガイドラインには入っているのですけれども、専門業者等ではなく当面は教職員が消毒を行うのでしょうか。また、今後の消毒作業も教職員が行うのでしょうか。

 (4)介護福祉施設、保育所、幼稚園、放課後児童クラブ等においてはどうでしょうか。自己申告がない場合は、陽性者及び濃厚接触者の発生を把握する方法はありますか。

 (5)として、休業解除に当たり、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、感染者と濃厚接触した可能性を市民に通知するシステムを地方自治体が独自に導入する動きが広がっています。報道によると、宮城県、神奈川県、大阪府、岐阜県など相次いで導入するということで、千葉県では千葉市が6月1日から導入されています。いずれもQRコードを採用したということで、企画から2、3週間程度で導入することに成功したということです。

 導入コストもおおむね安いということで、本市でも開発導入されてはどうでしょうかということを提案するつもりでしたが、ヒアリングを通して、感染者の行動記録を保健所から提供してもらう必要があるということで、本市では現状では導入することが困難であることがわかりました。また、政府におかれましてもブルートゥースを使った同様のシステムの準備を進めていて、早ければ6月中旬に導入になるという見通しとのことです。

 自治体のQRコード方式は、施設や店舗に張り出したQRコードを利用して来訪者を把握するために、特定の施設でしか濃厚接触を把握できません。ブルートゥース方式と比較すると効果を上げる場面は限定的なのですけれども、新型コロナの感染というのは施設内で多く発生するとの指摘もあるので、集団感染対策には適した特徴を持つのかというふうに思います。システムが簡素なこともあり、今後も数多くの自治体が導入していくのではないかということです。

 いずれも普及すれば政府が進めるブルートゥース方式の濃厚接触確認アプリなどとも補完的な役割を果たすのではないかと思いますので、QRコード方式導入を県にぜひ要望していだきたいですし、機能すれば安心して社会・経済活動に戻れる一助となると思いますので、導入された際には、政府のブルートゥース方式と同様、普及啓発のほうをよろしくお願いいたします。

◇続きまして質問事項2.第2波に備えた準備について。

 (1)検査のさらなる拡充について。

 秋、冬に来ると言われている第2波に備えて、現在の症状が出たらそれに対応するというような受動的な検査体制ではなく、無症状者も含めて積極的に見つけて早期に隔離、治療へつなげて封じ込めることができるようにする必要があります。そのためには検査の拡大と病床や医療用施設の確保というのが必要不可欠だと考えます。

 そこで、まずアとしてPCR検査についてです。

 現在、松戸市でも保健所を介さないPCR検査センターを設置して、1日30件程度の検査能力というふうに聞いています。しかしながら、それではまだまだ十分とは言えず、クラスターが何か所かで同時発生したら、恐らくこのキャパシティーでは対応できないでしょう。

 検査拡充についてはどこの自治体でも頭を悩ませているところだと思いますけれども、そんな中で開発ベンチャー会社プレシジョン・システム・サイエンス株式会社、以降PSS社としますが、全自動PCR検査システムの共同開発で駐日フランス大使から感謝状を贈られたという報道を見ました。このPSS社は何と松戸市内にあるのです。報道によりますと、このPSS社の全自動PCR検査システムはフランスやイタリアなどの欧州の医療現場で活躍していて、海外では既に実用化されています。

 日本国内でもPSS社の装置や試薬はまだ認可されていないそうですけれども、もうすぐ認可をされる見込みとのことです。現在、研究機関や病院で行われている手作業のPCR検査は、工程が煩雑なため、1検体当たり判定に6時間ほどかかる。これに対し、PSS社が開発している全自動PCR検査システムは、機器によっては2時間程度で判定が可能ということです。つまり、機器の稼働台数を増やせばそれだけ検査数が増えるというわけです。例えば松戸市でこの全自動のPCR検査機器を購入して、技師なども確保して独自の検査体制などを構築できないでしょうか。

 イとして、厚生労働省は6月2日、発症から9日以内であれば唾液を検体として使用することを認めると発表しました。これは検査を受ける人が自ら容器に唾液を入れるだけで済み、患者自身の負担も少なく、また検体採取の際に医療従事者らの感染リスクも低いと言われています。この唾液によるPCR検査の導入を考えていませんか。

 ウとして、採取した検体を最大10人分までまぜ合わせてPCR検査を実施し、陽性が出たら改めて1人分ずつ再検査を行うブレンドテスト方式の採用についてです。この方法により、中国の武漢市は5月14日から23日までに約660万人の市民にPCR検査を実施し、無症状病原体保有者を189例発見、21日だけで147万人の検査を実施したということです。1日約150万検体です。

 今、日本のPCRのキャパシティーは2万人ぐらいですけれども、検査体制が充実しているヨーロッパの国のドイツとかでも10万人程度です。この方式は、先月、ドイツの研究者らがイギリスの医学誌「ランセット」に発表した論文の中で、多数の無症状者をふるいにかける必要がある場合の検査方法として提案していました。

 この方法を使えば、例えば学校で感染者が出たときに、全校生徒が500人としても、10人分をまぜ合わせた50検体を検査して、陽性率も今はそんなに高くありませんから、ほとんどの検体は陰性でしょう。そこから陽性になった検体だけを改めて1人分ずつ再検査を行なえば、1日のキャパが50検体とかそれぐらいでも、恐らく1日、2日で全校生徒の検査ができます。つまり休校で閉鎖する期間を短くすることもできます。ぜひ松戸市でも検査の必要な無症状の方々への検査を行う場合などに、スクリーニングとして使う場合にこういう方式を採用できないでしょうか。

 また、現在、松戸市は民間の検査会社と契約しているということですが、民間の検査会社も安定的に受注が入れば、試薬などもそれを見越して投資ができるはずです。PSS社の全自動PCR検査システムを購入というのがハードルが高いのであれば、例えば今契約している民間の検査会社にもうちょっとキャパシティーを増やしてもらって、1日100検体とかそれぐらいお願いできないか。ブレンド方式を使えば、そのキャパシティーでも1日最大1,000人もの検査が可能になるわけです。

 このように検査を拡充すれば、社会的機能を守るために、症状の有無にかかわらず、医療従事者及び入院患者、介護施設従事者や施設利用者などを定期的に検査することも可能で、ハイリスクな院内感染、施設内感染の早期封じ込めにもつながります。そこから順次、対象をエッセンシャルワーカーなどに広げていくこともできると思います。これは今すぐにでもやり始めることができるのかなと思いますが、市の御見解をお伺いします。

 エとして、抗原・抗体検査を活用する考えはないか。

 抗原検査は、精度はPCRほどではないものの簡便なので、発熱外来や検査センターで活用すればPCR検査の負担も減らせます。そして、過去の感染歴を調べる抗体検査ですが、こちらは既に検査キットも流通しています。きのうもソフトバンクが4万人ほどの方を検査したという報道もありました。

 これは過去の感染歴を調べるものなのですけれども、厚生労働省も6月1日から東京、大阪、宮城の3都府県の住民約1万人を対象に検査を実施するとのことです。無症状の人を含めた感染の広がりの把握につながり、これらのデータを今後の対策に生かすことのできる重要なデータになるでしょう。ぜひ本市でも活用できませんか。市の御見解をお伺いします。

 (2)隔離施設について。

 アとして、東葛北部医療圏の人工呼吸器の保有台数と使用状況、そして、ICUの病床数と空き状況を松戸市は把握していますか。

 イ.医療のキャパシティーを超えないようにするためには、松戸市としてどのタイミングで行動規制を行うべきかなどの指標を持っていますか。医療圏ごとの人工呼吸器やICUの空き状況なども一つの指標となると思いますけれども、市の御見解をお伺いします。

◇最後に質問事項3.新型コロナウイルス感染拡大時の対応について。

 (1)3月から5月のいわゆる第1波感染拡大時における松戸市の対応について、どう評価していますか。反省や改善点もあれば教えてください。

 (2)として、それらを踏まえて第2波が起きた際の松戸市の対応について何が重要だと考えるか、できるだけ端的にお答えください。

 それでは、それぞれの御答弁のほどをよろしくお願いいたします。


○山口栄作議長 理事者の答弁を求めます。

     〔入江広海健康福祉部長登壇〕


◎健康福祉部長 DELI議員御質問の質問事項1.新型コロナウイルス感染等の情報の取り扱いについての質問要旨(1)(4)、質問事項2.新型コロナウイルス感染症の感染者第2波に備えた準備について及び質問事項3.新型コロナウイルス感染拡大時の対応について、順次御答弁申し上げます。

 初めに、質問事項1の(1)についてでございます。

 新型コロナウイルス感染者の入院やホテルの宿泊等につきましては、千葉県が主体となって調整を行っており、市民だけに限定した詳細な情報について市として把握できる状況にはございません。しかしながら、それまで市といたしましても対策を検討するための情報が何もない状況でありますことから、療養調整やPCR検査等を含む医療対策全般につきまして、松戸保健所長、松戸医師会長及び市長との定期的な協議を数多く行い、さまざまな検討と情報共有を進めてきたところでございます。

 また、市内感染者の発症から陽性確定日までの日数でございますが、平均で9.6日となっております。

 次に、(4)についてでございますが、感染された方から施設へ感染したことの自己申告がない場合は、施設側は感染者の発生を把握することができない状況でございます。しかし、保健所では感染された方に対して感染拡大を防止することの重要性を丁寧に説明し、関係施設が閉鎖中などでない限りは必ず施設に連絡を入れることを指導しております。その指導結果について保健所に確認をいたしましたところ、関係施設に連絡をすることを拒む方はいらっしゃらないということでございました。また、ほとんどの施設においても感染時には遅滞なく施設に報告をしていただくとの協力を求めております。

 続きまして、質問事項2の質問要旨(1)検査のさらなる拡充については、関連がございますので、一括して御答弁申し上げます。

 唾液検査の導入につきましては、日本医師会からも国に要望されていたものでございます。この唾液検査も先ほど申し上げた場で協議をされており、市の基本的な姿勢として積極的に取り組みたいと考えてございますが、一方では、発症から9日間のみが検査の対象で、発症感染者は検査の対象にならないなどの実務的な諸課題があり、現在、関係機関に照会するなど情報収集に努めているところでございます。

 今月2日に厚生労働省から「新型コロナウイルス感染症に関するPCR等の検査の強化に向けた指針」が発出されております。この指針は、政府の基本的対処方針において、厚生労働省は、相談、検体採取、検査の一連のプロセスを通じた対策強化について都道府県等に指針を示すと定められたことを受けて発出されたものでございます。この指針は、質問要旨アのPCR検査の自動検査機器や、質問要旨ウのブレンドテストについての記述はございません。

 検体の採取ではなく、陽性、陰性の判定を行うという意味の検査につきましては、現状では、国は公立の検査機関だけではなく民間の検査機関の活用を促進していますが、自動検査機器の導入にまでは現在はまだ踏み込んでございません。

 議員御提案のブレンドテストについては、千葉県に確認をいたしましたが、ブレンドテストに関する情報は持ち合わせていないとのことでありまして、市独自で判断することも技術的に難しいところがございますので、現時点では御答弁ができかねるところでございます。今回御提案をいただきましたので、今後はブレンドテストに関する情報にも注意をしてまいりたいと存じます。

 質問要旨エの抗原・抗体検査の活用につきましては、複数の検査を組み合わせて全体として最適な検査体制を整備するという必要性は認識しておりますが、例えば抗原検査については国においては検討を進めているところであり、その取り扱いについて別途通知する予定である旨がこの指針に示されており、今後とも国の動向を注視してまいります。

 続きまして、質問要旨(2)の医療のキャパシティーと感染者の隔離施設についての質問でございますが、これにつきましても一括して御答弁申し上げます。

 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、一言で申し上げますと、医療需要の把握とそれに対応できる医療提供の現状についてどうなっているのか、いわゆる医療崩壊と呼ばれる最悪の事態も想定し、どう備えるのかという御質問と御理解させていただきました。

 御案内のとおり、医療体系の整備については、県がその役割を担うことが基本とされております。この医療制度上の観点から率直に申し上げますと、御質問の東葛北部医療圏域や県内の人工呼吸器や病床数その他の稼働状況について市として把握をしておりませんし、政策判断する上での指標も持ち合わせておりません。

 誤解がないように申し添えますが、今回の事態は、市民の関心が極めて高く、市民の生命にかかわる事態であります。このような重大な事態に対し、権限と責任のない領域について市が発言できる立場にないことを御理解いただきたく存じます。市がPCR検査を実施いたしましたのも、事の重要性と緊急性を考慮しつつ、保健所の依頼や国が示す制度に基づいたものでございます。御質問の趣旨は十分理解しているつもりでありますので、引き続き保健所や松戸市医師会の専門的な立場から指導、助言を得つつ、今後も3者が連携して対応してまいります。

 続きまして、質問事項3の(1)(2)について、関連がありますので、一括して御答弁申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症に関しましては、誰もが経験したことのない未知の感染症と向き合うこととなったため、感染しても入院できない、希望してもPCR検査が受けられない等、対策現場が時々刻々と変化する状況に追われ、逼迫した状況の中での対応であったことも事実であると認識しております。

 医療体制の整備につきましては、千葉県が主体となり推進すべき対策ではありますが、本市といたしましては、県内でいち早くドライブスルー方式によるPCR検査を松戸市医師会と協力して実施し、また家族に感染してしまうことに不安を抱えている医療従事者の方などに対して市が借り上げた民泊物件を無償提供するなど、走りながらできることを精いっぱい実施してまいりました。

 現在、市民の皆様の感染症に対する意識も高まり、また、各事業所におきましても、さまざまな感染症対策が施されておりますが、それでも必ず第2波、第3波は起きるものと考えてございます。感染が拡大した当初と比較し、検査や病床の整備などは進んできてございますが、今後も松戸市医師会、松戸市保健所と連携を図り、新型コロナウイルスに感染しても安心して医療に結びつく体制の構築を推進してまいりたいと存じます。

 以上、御答弁といたします。

     〔齊藤一夫学校教育部長登壇〕


◎学校教育部長 質問事項1の新型コロナウイルス感染者等の情報の取り扱いについて、質問要旨(2)及び(3)について答弁いたします。

 現在、保護者からの申告や承諾により、学校や松戸市教育委員会は新型コロナウイルス陽性者及び濃厚接触者の発生を把握しております。ただし、学校内で感染拡大が懸念される場合に、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき、保健所が行う積極的疫学調査への協力のための連絡が学校にあります。これについては、学校再開に当たり、再度千葉県教育委員会にも確認いたし、変更はないとの回答でした。

 今までも松戸市教育委員会としましては松戸保健所と連携をとり、陽性者発生聞き取りシートや休校基準についての相談や指導をいただいておりましたが、感染拡大を防止するためには、今後、今まで以上にいち早い情報提供を教育委員会にしてもらえるよう求めていきたいと思います。新型コロナウイルスに関して最善の備えができるよう、各学校からの意見、要望を聞くとともに、関係各課との連携を図っていきたいと思います。

 また、学校の消毒については、議員御指摘のとおり、感染者が発生した場合、専門的に行う消毒業者でなければ感染リスクは高まると考えています。その場合、専門業者による消毒にて対応してまいります。日常の消毒作業を職員が行うことについては負担になっていると認識しておりますが、学校を安心・安全に保つためには必須のものと考え、職員にお願いしております。

 今後も、感染状況等を踏まえ、ガイドラインの内容の改訂も含め検討してまいります。

 以上、答弁といたします。

     〔DELI議員登壇〕


◆5番(DELI議員) それぞれ御答弁ありがとうございました。

 今回、聞きたいこと、提案したいことはたくさんあったのですけれども、中でも最も重要と考える情報の扱いや検査体制、医療体制という三つのポイントについて集中的に質問しました。しかし、いずれも松戸市は保健所を持っていないということもあり、情報もない、権限もないということでしたが、だからといって、方針すら持っていなければ戦略的な対策を講じることもできないわけです。

 例えば、医療提供体制の整備は県が担っているというのはわかります。しかし、感染者の20%はICUが必要だったり、5%の方が人工呼吸器がなければ助からないと言われているのです。ならば、この情報を持っているだけで、一体この医療圏の中でどのくらいの新規感染者が例えば2週間くらいの間に発生したら医療崩壊が起きるかというような指標が持てるのではないかと思うのですけれども、そうならない対策をこういう指標を持っていれば考えられるのではないでしょうか。

 感染者の情報の扱いについても、松戸市では、僕らや市民同様、性別と年代ぐらいの情報しか持っていないということを改めて確認できたわけですけれども、学校や保育所、介護施設などでは、感染された方、または保護者から学校や施設へ自己申告がない場合は、施設側は感染者の発生を把握することはできない状況だということもわかりました。

 御答弁を受けてちょっと怖いなと思ったのは、保健所では、感染された方に対し関係施設が閉鎖中などでない限りは、必ず施設等へ連絡を入れることを指導しておりますということです。学校や施設側からも感染が確認できたら自己申告してほしい旨は伝えていると思うのですけれども、仮に何らかの事情で感染していることを自己申告できない、自分が感染していることや濃厚接触者になったことを自己申告できずにクラスターでも発生してしまった場合、自己申告できなかった方や家族の方の責任になるのでしょうか。物すごく残酷な話だと思うのですね。学校ではいじめをやめましょうと言っているのですから、そこにつながってしまうようなリスクというのは回避していただきたいなというふうに思います。

 それよりもさらに問題だと思いますのは、学校再開に当たり、感染者が一人でも出たら学校を閉鎖するわけです。疫学調査が行われない限り、自己申告による情報で学校を閉鎖するという判断をするのでしょうか。なぜそこで保健所や千葉県教育委員会からの情報提供が受けられるのか、ちょっと僕には理解できません。松戸市教育委員会を始め教職員の皆さんは、2月の末からの休校要請以降、さまざまな対応に苦慮された中で本当に皆さんに御尽力いただき、大変感謝しています。ですから、本当にいま一度考えていただきたいです、何を守っているのかということを。

 先ほどの御答弁では、松戸保健所長、松戸市医師会長及び市長との定期的な協議を数多く行い、さまざま検討と情報共有を進めてきているということですが、このような情報がなぜ関係各課ですら共有していただけないのでしょうか。公衆衛生と個人情報の保護をどう折り合いつけるかというのは物すごく重要なポイントだと思います。必要な情報を共有して対策や支援につなげている自治体もあるわけですから、法律の問題ではないのかなというふうに思います。この状況を本当に何とかしていただきたいです。

 効果的な感染拡大防止策を講じるためには迅速な情報の共有は不可欠なのです。御答弁では市内感染者の発症から陽性確定日までの日数が平均9.6日となっているということでした。これを何のために確認したかというと、新型コロナウイルスの感染者は、発症する2、3日前からウイルスを出しだすのです。一番出すのは発症する半日前で、重症者、どんどんウイルスが増えているような方以外は、発症してから7日ぐらいでほとんど人にはうつさなくなると言われているのですね。つまり、発症してから陽性確定まで平均9.6日もかかっていては、ほとんど人にうつさなくなってから隔離されているのです。これではもう陽性が確定したときには感染拡大防止のためにできることが限られてしまいます。それに保健所の疫学調査をする機関もマックスになるわけです。

 つまり、これを一つとってもPCR検査を拡充する根拠になるのですね。検査を拡充して、せめて発症から2、3日以内に陽性かどうかがわかれば、その後の4、5日の間の行動規制をすることでさらなる拡大防止ができるわけです。保健所の負担も減らせるわけです。

 今の検査体制では、確認できる感染者は確かに減ってきました。しかし市中に新型コロナウイルスがなくなったわけではありません。症状のない方は今の検査体制では濃厚接触者しか検査が受けられない、保険適用外ということです。

 WHOは9日、新型コロナウイルスに感染した人のおよそ40%は無症状の感染者からうつされているという見方を明らかにしました。まだ日本は先ほど言いました濃厚接触者以外の無症状の方のPCR検査は保険適用外です。北九州市の状況を見ていただければ、五つもの病院や介護施設などで集団感染が発生していますけれども、新型コロナウイルス感染症を疑うような症状が出ていない方が救急搬送され対応している中で、念のため検査をしたら陽性になっていて、気づいたらクラスターを発生させていた。やはり院内感染をできるだけ早く封じ込めるには、PCR検査を入院患者にできるだけ導入していくことが重要なのだと思います。

 国内のクラスター発生事例を見ると、ほとんどが医療機関や介護福祉施設です。先ほども提案しましたが、症状の有無にかかわらず、医療従事者及び入院患者、介護事業従事者及び介護施設利用者などが定期的に検査ができれば、院内感染や介護施設内感染を早期に封じ込めることができるのではないでしょうか。市民全員と言っているわけではありません。医療や介護関係、それにエッセンシャルワーカーといったところから始めていけばいいと思うのですね。

 そんなに難しい話には思えません。プロ野球やJリーグは月1ペースでこれをやろうとしているわけですから、それにこの検査のキャパシティーがあれば、濃厚接触の疑いがある方の潜伏期間の間、行動規制をする必要もありません。陽性者や濃厚接触者が学校で出ても、先ほど言ったブレンドテスト方式でもいいですから、使えば全校生徒にPCR検査をすることは可能なわけです。

 第2波、第3波は来るものと考えてございますと御答弁がありました。インフルエンザと同時期に来るのではないかという懸念もあります。そのころまでに発熱外来を市内に何か所も設置して、そこで常に抗原検査なども併用してトリアージできれば、PCRの負担も減らせますし、受診控えや病院をたらい回しにされるようなこともなくなるのではないでしょうか。

 先ほど接触者感染アプリの話もしましたけれども、QRコードを店舗に掲示して、例えば、自分が濃厚接触をした可能性があるという場合には通知を受けたら、その通知を見せればPCR検査が受けられるというようなシステムが導入できれば、今より安心して外食や飲みに行ったりすることができるんじゃないかなというふうに思います。

 市内のPSS社の全自動の機器においても、認可がおりれば争奪戦になりかねません。これも、国や県の動向を注視するというのはわかりますけれども、実用化が決まった後から動き出したのでは後手後手に回ってしまうんじゃないかなというふうに思います。

 長々といろいろな提案、話をさせていただきましたけれども、感染拡大防止策としても、経済対策としても、この検査の拡充というのは本当に一丁目一番地というか、マストだと僕は思うのですね。今のままでは、感染が発生したらそれに対応するという場当たり的といいますか、自動的な対策しかできないわけです。

 もちろん、第1波のときは、シーズン1というか、わからないことだらけでしたから、おっしゃるとおり、走りながらできることを精いっぱい実施していただいたと思いますし、とても感謝しています。しかし、第2波はこれでは対応できない。国内でも抗体検査が行われていますけれども、市中感染は陽性率1%以下です。だから、できるだけの情報収集をして、モニタリング指標をつくって、主体性をもって、戦略的な対策を考え、準備をしていただきたいです。

 市長、よく考えていただきたいです。松戸市は普通市とはいえ50万人もの人口がいるわけですから、このままでは、秋、冬に備えた準備をしておかないと、基礎自治体としての責任が果たせるのでしょうか、本当にそこが怖いですね。準備ができるのは感染拡大が落ちついている今しかありません。どうぞ、秋、冬の大流行に備えて、できる限りのことをやっていただきたいというふうに思います。

 以上で、私の一般質問を終了します。御清聴ありがとうございました。(拍手)