◆17番(DELI議員) 皆さん、おはようございます。政策実現フォーラム・社民のDELIです。
それでは、早速、ただいま議題となっております議案第70号、令和5年度松戸市一般会計予算については、委員長報告のとおり、修正案並びに修正議決した部分を除く原案について賛成の立場で、また議案第77号、令和5年度松戸市松戸都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計予算については反対の立場で、会派を代表して討論したいと思います。
予算審査特別委員会では、令和5年度一般会計予算に対し、先ほどの委員長報告でも述べられていたとおり、戸張友子委員、そして私で、両会派を代表して修正案を提出しました。以下、修正案の中身と提出した理由について申し上げます。
まず、第3款民生費、第1項社会福祉費の第4目老人福祉費のうち高齢者社会参加促進事業シルバー人材センター運営費補助金については、今回、パワハラ疑惑があり、市としては権限がないという中で調査をして、副市長が理事長を注意したということでしたので、何らかの改善が必要だという認識があったんだというふうに思うんですけども、こういった場合に、先ほど言ったとおり権限がない中で、市としてどんな対応ができるんだろうか、補助金をそのまま交付していいのだろうかという点が審査のポイントでした。
今後は、補助金の交付要綱に、パワハラなどの問題があった場合に調査や指導などを行えるような記載を加えるなどの検討をしたいということだったんですけれども、補助金の決定取り消しであるとか、減額をすることができるような記載も加えるべきだというふうに思っています。しっかりと再発防止につながるような対応をするべきだということで、今回は警鐘を鳴らす意味で、修正削除を提案いたしました。
次に、第8款土木費、第4項都市計画費、第2目土地区画整理費のうち土地区画整理関係業務の常磐線快速列車新松戸駅停車調査委託料については、質疑を通して、やはりこれは計画的に進められていないのではないかというふうにますます不安になりました。事業の完了の時期も、土地区画整理事業のまちびらきは令和10年度を目指しているけれども、快速列車停車に関する駅舎等改良工事の工事期間を約10年間ということで調査結果は示されているんですけれども、現在のところ完了時期は未定です。最短でも5年ほどの遅れは確定で、これは10年、20年とさらにかかる可能性もあるんじゃないかなというふうに思うんです。
これまでに、平成29年から毎年毎年この快速列車の停車関連の調査が行われているんですけれども、その成果物というものは見せてもらえないまま、今回の調査でもう1億円を超えてくるわけです。快速停車のためにホームを増設する必要があれば、当然、用地買収、用地取得が必要になってくると思われますけれども、駅改良に伴う用地の影響範囲すら現時点では示せないということでした。普通に考えたら、この用地取得というのがやっぱり一番のハードルになるんではないかと思われるので、そこに手をつけないで、今回行われる移動時間の変化や利便性の向上など、鉄道事業に係る費用対効果を評価するための調査を新年度に実施しても、用地の取得に何年もかかったり取得ができなければ、この調査は無駄になるのではないか。そもそも全体の事業費がわからないのに、どうやって費用対効果を評価するのかなどなど、事業の可否を判断するまでに、あとどれだけの調査や費用、時間がかかるかも見えない中で、この調査が新年度に本当に必要な調査だとはとても思えませんでしたので、修正削除を提案いたしました。
最後に、第10款教育費、第5項社会教育費、第7目博物館及び美術館費の美術文化関係事業のマイセン磁器展示関係経費7,423万5,000円については、松戸市にゆかりがないけれども、高価で価値のある美術品なら寄附を受け付けて展示をするというのであれば、やはり展示は維持管理にも多額の費用がかかるので、曖昧な基準で前例をつくるべきではないというふうに思います。
質疑を通して、イニシャルコストの総額は約6,700万円で、ランニングコストも毎年約1,000万円ほどかかるということがわかりましたけれども、売却等は考えていないということでした。また、レストランスペースの展示についても、どうしても唐突に感じられてしまいます。レストラン運営事業者が撤退後に、文化振興財団が募集、協議をしていたけれども、3年以上にわたり新規参入を希望する事業者がないことから、レストラン再開は考えていないということでしたけれども、これは本当に人を呼び込むことが難しいスペースだということをおっしゃっていましたが、では、そこにどうして展示場所としてここが適切だと言えるのだろうかということもあり、食事場所の確保というニーズを考えても、やはり市民の理解が得られるとは思いませんでした。したがって、こちらも修正削除を提案いたしました。
同時に、大和山太郎委員ほか3名からも、この博物館及び美術館費の美術文化関係事業のマイセン磁器展示関係費のみを削除する修正案が提出され、二つの修正案のうち、重複しない事業を削除する提案が最初に採決されましたけれども、残念ながら賛成少数で否決すべきものとなりました。その後、削除する提案が重複した事業、このマイセン磁器展示関係経費について採決が行われて、賛成多数により可決するべきものとなりました。このことにより博物館及び美術館費の美術文化関係事業のマイセン磁器展示関係経費7,423万5,000円を削除するという修正案というものが、本会議に提出されたわけです。
我々政策実現フォーラム・社民といたしましては、今までの申し述べてきたとおり、博物館及び美術館費の美術文化関係事業のマイセン磁器展示関係経費以外の削除を提案した2事業についても、内容や進め方に問題があると考えているところですが、予算原案の中には、新型コロナ感染症の5類移行など法的な位置づけが変わる中で、まだまだ感染力や免疫をすり抜ける力が高いというふうに報告されている変異株が増加をしている状況などを考えると、やはり引き続き、大変重要な感染症対策などを始めとした市民の安全・安心に係る予算も数多く含まれているため、会派としては大変悩みましたけれども、総合的に判断して、賛成とさせていただきます。
最後に、議案第77号、令和5年度松戸市松戸都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計予算について、反対の立場で討論します。
市施行における仮換地の指定については、法的には地権者の同意要件はなく、区画整理審議会の同意があればよいことになっていますけれども、仮換地の指定後は、基本的に地権者の保有地である従前地の使用収益権は消滅するなど、仮換地指定は非常に強い法的拘束力を持つものと考えます。だからこそ、新年度末までの指定というふうな期限を設定せずに、まずは地権者との合意形成に努めるべきだというふうに思います。このあたり何度か質疑をしたんですけれども、委員会質疑においては、やはり明確に100%同意を経てからの指定というような明確な答えはいただけませんでした。常日ごろ事業を進めるに当たっては、地権者の合意が重要だと言われている本市ですので、この点は本当に残念でなりません。
そもそも我々の会派は、この事業に対して地権者の合意形成の問題以外にも、採算性の問題を指摘してきました。区画整理の対象範囲が非常に狭いため、無理のある計画になってしまっていて、無理な立体換地をしなければならないわけで、多額の市税を投じるわけですが、最初の計画からボタンのかけ違いにより無理が続いていて、やはりこのまま事業を進めるべきではなく、範囲を含めて再検討などをするべきだというふうに思います。多額の予算が必要な立体換地による区画整理事業ではなく、よりコストがかからない道路整備事業など、ほかの手法の検討が十分になされていないのではないかというふうに考えています。
いずれにしても、市にリスクがある可能性は拭えませんし、このような内容や進め方では本予算についても賛成することはできません。
なお、議案第76号と第77号を除いた議案第71号から第81号までの各会計予算につきましては、事業の重要性を鑑み、賛成とすることを申し添えます。
以上で会派を代表した討論とさせていただきます。皆さんの満場の御賛同をよろしくお願いいたします。(拍手)