[0014]6月12日松戸市議会一般質問②排水溝に環境濃縮している放射能について

投稿日: 2015/06/12 10:14:11

現在原発事故から四年が経過して松戸市内の汚染の状況も少しづつ変わりつつあります。

そんな中最近ある傾向がみられることがわかりました。

お配りさせていただいた資料をご覧ください。

私は市内の公園をホットスポットファインダーと言う計測器で地表50センチの高さの空間線量と幾つかのポイントの土壌を採取して東林間測定室いわゆる市民測定所に送りAT1320Aというベクレルモニターで計測したものをMAPにして公開しています。

これは中町公園の汚染マップです。

茶色い丸いポイントは土壌を採取した場所で

青いポイントは空間線量が0.1μSv/h未満

黄色いポイントは空間線量が0.1μSv/h以上0.23μSv/h未満を

赤いポイントは空間線量0.23μSv/h以上をあらわしています。

この公園には赤いポイントはありません。

つまり今の松戸市の基準ではこの公園には除染の対象になるような場所はないという事です。

しかし、土壌を計測してみると環境濃縮が進んでおもわぬマイクロホットスポットがあることがわかります。

まず地図の下の部分つまり南側にあるジャングルジム近辺の空間線量は0.07μSv/hでした。

そしてそのジャングルジムの下の土壌を計測すると229Bq/kg[誤差46.7Bq/kg]でした。

この誤差というのはプラスマイナス46.7Bq/kgあるということなので、1kgあたり275.7Bqから182.3Bqの間であるということです。

資料2ページ目がこの計測結果の詳細になっています。

一方地図の上の方、つまり北側にある植え込み部分の空間線量は0.138μSv/hですが、その真下の土壌を測ると12800Bq/kgもありました。

同じく誤差はプラスマイナス2080Bq/kgあるということなので、1kgあたり14880Bqから10720Bqの間であるということです。

資料3ページ目がこの計測結果の詳細になっています。

ここはおそらく公園横の排水溝の泥を植え込み内に無造作にあけてしまっていて、その部分が高くなっているようなのですが、これはせっかく公園内の放射能が環境濃縮して排水溝に集まっているものを、わざわざ公園内に戻してしまっているという事なんです。

しかし、ここはピンポイトで汚染されている為空間線量にそこまで反映しません。地表に1万ベクレル以上の土壌があっても50センチの高さでは0.23μSv/hを越えないと言う事で除染の対象外となってしまいます。

つまり土壌を測らなければここがマイクロホットスポットになっているということすら気づかずに放置されている状況になっているわけです。

今日はわかりやすく説明するために中町公園のみのMAPをお持ちしましたが

こういった状況はこの公園に限った事ではなく、他の公園でも土壌の値は低いところと高い所では50〜100倍くらい違いがあるという傾向がみられました。

もし興味のある方がいらっしゃっいましたら、私のホームページで計測したすべての公園のMAPをアップロードしているので、ご参考にしてください。

このように計測をしていると近隣住民の方々も声をかけてきてくださって、事情を説明すると、こういった公園のドブさらいは町内会などでボランティアで行われているということでした。

そこでいくつか質問があります。

まず1点目

今日お伝えしたほかにも計測を実施して空間線量が0.23μSv/hを超える公園がいくつかありました。

そしてその他にも公園を計測してる最中に公園に隣接している市営住宅の住民からうちも市営住宅だから測って欲しいといわれて、計測したところ、この市営住宅の側溝の土からはなんと12万Bq/kgも計測されたので、その事実をそれぞれ関係部署に報告しましたが、その後どのように対応されましたか?

2点目

先ほどからお話している通り、最近の汚染の傾向として環境濃縮が進んでいます。特に排水溝や側溝などに濃縮していて、その集まっている放射能を無造作に公園内に戻してしまっている事実を公園緑地課の方にも報告しました。

5月31日にはクリーンデーもありました。その後どのように対応されていますか?教えてください。

答弁

(1)の、議員より局所的に放射線量が高いとご指摘をいただきました公園や、市営住宅の排水溝などにつきましては、現地調査を行い、地表から50cmの空間放射線量が毎時0.23マイクロシーベルトを超えていた箇所について、土を取り除くなどの作業を行いました。

取り除いた土などは各敷地内に埋設いたしました。

(2)の排水溝から上げられた泥を公園内に放置されることにより、部分的に放射線量が高くなってしまうことの対応についてでございますが、公園を管理している業者には、排水溝の泥を上げて放置しないように指導しております。ただし、公園の近くにお住いの方などが、善意により、排水溝の流れを良くするため、泥上げを実施していただいてる場合がございます。

今後につきましては、泥などが上げられていた場所への看板の設置や、近所の方への聞き取り調査などを実施し、排水溝を清掃される際は、事前に市へ連絡していただくよう、お願いしてまいりたいと考えております。以上、ご答弁とさせていただきます。

再質問

まず公園緑地課、ならびに住宅政策課それぞれ迅速な対応ありがとうございました。

おそらく近隣住民の方は排水溝などに放射能が環境濃縮しているなどとは知らずに泥上げを実施していただいてると思いますので、周知の方をよろしくお願いいたします。

さて原発事故から四年が経過して健康調査だけでなく、放射性物質汚染対処特措法も試行状況検討会などが開かれており新たな局面をむかえようとしています。

特措法はあくまで緊急的に生活空間の放射線量を低減する目的で除染が行われ、除染することによりうまれる汚染土壌の仮置き場が設置できない為に松戸市では天地返しと言うやり方で、公園や学校の敷地内に汚染土壌を埋めてきました。

しかし今松戸市も指定されている汚染状況重点調査地域を解除してもらうには、おそらくこの埋めてしまった汚染土壌も取り除かなければなりません。

それに一度天地返しをしている所でまた環境濃縮などによる汚染が見つかった場合、以前に埋めた汚染土壌を掘り起こしてしまうことはないのでしょうか?

あくまで緊急措置として天地返しをしてきたことは仕方がないのかもしれませんが、そろそろ中長期的スパンでの対策を講じるべきではありませんか?

平成24年6月27日に公布された「原子力規制委員会設置法」の附則により、環境基本法第13条の放射性物質による汚染の適用除外規定が削除され、放射性物質による汚染についても環境基本法の対象となりました。つまり実質的には放射性物質は公害物質に認定されたようなものなのです。

どこかの化学物質を扱ってる工場が事故を起こして環境に公害物質が漏れて、公園や学校が汚された時にその公園や学校の敷地内に公害物質を埋めて処理するなんて許されるのですか?

そこで再質問します。

1.いつまで天地返しと言うやり方で除染をするつもりですか?

2.学校や公園などは環境濃縮しているところだけでも、土壌の計測をして少なくとも8000Bq/kgを超えるものは指定廃棄物同様、管理するべきだと思うのですがどうですか?

3.汚染状況重点調査地域は国直轄ではなく、市町村除染と言うことで、ガイドラインこそあれ、それぞれの自治体にその方法などは委ねられている部分も多いはずです。

今後どのようなやり方で放射能汚染と向き合っていくのがベストだと思いますか?そのお考えをお聞かせください。

以上3点再質問します。

「土壌の除染方法」及び「除去土壌の管理」の2点のご質問につきましては、関連がありますので一括してご答弁申し上げます。

議員のご質問にありました除去土壌の仮置場につきましては、仮に仮置場があるとすれば、仮置場での保管も選択肢の一つとして考えられるものと思います。

しかし、平成24年当時より市内において仮置場の設置が可能であると考えられる候補地を選定し、設置に向け地元の方々と協議を進めて参りましたが、合意に至ることができず、仮置場を設置するに至りませんでした。このような背景から、市では放射性物質汚染対処特措法施行規則第55条にある「除染の実施者は除去土壌の抑制に努めること。」の規定に基づき、除去土壌の抑制対策として、天地返し等による除染方法を選択し、仮置場を設置することなく対応して参りました。

これらの経緯から、保管する量に関わらず市内に除去土壌の仮置場を設置することは非常に困難であり、また、除去土壌の保管に対する放射性物質の濃度基準等がなく、指定廃棄物と同様な仮置場を設置した上での保管管理はできないことから従前のとおり、発生場所での対応で処理することとしております。

「土壌の除染方法」につきましては、環境省において除去土壌の処分方法等に関しての検討会が設置されており、今後この検討会において最終的な議論がされていくものと認識しております。

現時点では新たな指針等が示されていないことや、除去土壌の仮置場を設置できない等の状況から、市としましては従来通り放射線防護における遮蔽の観点や除去土壌が発生しないという利点を鑑みて天地返し等の工法が最善である認識としております。また、天地返しという工法については保管とは異なります。したがって、再度除染事業として当該箇所に対して作業を行うことは考えておりませんが、空間放射線量の監視につきましては継続して行っております。なお、今後国より新たな指針が示された際には、柔軟に対応して参りたいと考えております。

次にご質問の3点目の、「今後の放射能汚染との向き合い方」につきましては、先に述べましたが、現時点では国から新たな指針が示されていないことから、今後につきましてもこれまでと同様に市民の皆様の安全・安心の観点に基づき、人体への放射線による影響を最優先に考えて参りたいと思っております。

ご答弁ありがとうございました。

繰り返しになりますが

汚染状況重点調査地域の指定を解除するには、焼却灰だけではなく、今埋めてしまって監視を続けている公園内の汚染土壌もいずれ掘り起こして取り除かなければならないはずです。

今の所最善とは言っても、仮置き場を設置できなかったという事で仕方がなく、天地返しというメニューを選んできたわけですから、除染実施計画が概ね完了しようとしてる今、改めて汚染土壌をどう処理していくのかは考えなくてはならないと思います。

計測をしていると小さい公園ほど、小さい子どもが遊んでいることも多いように思います。敷地の狭い公園などは埋めるスペースがなくなるかもしれません。

今後も公園や学校などの土壌計測をする事と汚染した土壌は埋めないで管理するべきだという事を強く要望していきたいと思います。

(質問3につづく)

*今回、パネルの利用は認められず、終了後回収するということで、写真のような資料を配布させていただきました。