令和3年3月定例会(3月23日)

◆9番(DELI議員) 皆さん、こんにちは。政策実現フォーラムのDELIです。

 それでは、ただいま議題となっております議案第69号、令和3年度松戸市一般会計予算については特別委員長報告のとおり修正案並びに修正案を除くその他の原案については賛成の立場で、また議案第76号、令和3年度松戸市松戸都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計予算については反対の立場で討論したいと思います。

 予算審査特別委員会では、令和3年度一般会計予算に対し、先ほどの特別委員長報告や戸張友子議員の討論でも述べられていたとおり、我々政策実現フォーラムと立憲民主党の両会派で修正案を提出いたしました。

 修正案の提出した理由と中身について申し上げます。

 まず、前提として、我々両会派は、本市の財務状況について、本市借金は、直近の決算額でも明らかなように、現状本市のプライマリーバランスはマイナスであり、大型事業を行っていない現在でも借金は増え続けていること、逆に収入は、今回のコロナ禍の影響で市税収入の見通しが暗くなっているというふうに認識しています。こうした状況を考えると、当然歳出はこれまで以上に慎重にならざるを得ませんし、特に事業費の大きい大型事業については、本市の将来を見据え、決して楽観視せず、より慎重に優先順位等を考え、判断していくべきだと考えています。

 こうした前提で歳入の根幹をなす市税収入を見てみれば、コロナ禍による経済の打撃が深刻化する中で、新年度も市民税については、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う個人所得の減少や法人市民税の法人税割の引き下げの影響等を勘案し、9億8,900万円、2.8%もの減を見込んでいます。固定資産税、都市計画税については、3年に一度の評価替えに加え、新型コロナウイルス感染症の影響により事業収入が減少した中小事業者に対しての事業用家屋等の軽減措置や土地の税額を据え置く特別措置などにより、固定資産税は17億5,600万円、7.2%の減、都市計画税は2億6,000万円、6.4%減を見込んでいます。なお、事業用家屋等に係る軽減措置による減収分は、全額新型コロナウイルス感染症対策減収補填特別交付金で補填されているということになっていて、令和3年度市税収入としては3.9%を見込んでいますが、影響額で言えば、前年比約26億8,000万円の減額となりますので、先ほど戸張友子議員からも指摘あったように、新年度はリーマン・ショックを超える減収ということになるのかなというふうに思います。

 しかし、市債残高は増えて、逆に市税収入が減る中、12月定例会で財務部長からは、将来負担比率がマイナスと転じたことの主な理由として、本市の財務水準は健全な状況でありますので、本市発展につながるまちづくりへの投資を行う財政的な体力は備わっているものと認識しているとのお考えが示されました。この御発言について、代表質問に引き続き予算審査特別委員会でも、本市の財政状況からすれば投資をしても大丈夫と判断をしているその具体的な根拠についてお聞きしました。投資額がわからないのになぜそのような判断ができたのかが一番の疑問なのですが、代表質問でも予算審査においても、大型3事業の投資額並びに見込まれる借金の額、またその投資に対するリターンに当たる税収増加額の具体的な根拠や想定は示されず、投資を行えるとした判断の理由は結局わかりませんでした。市が投資をしても大丈夫とする基準となっている将来負担比率についても、一度大きい起債をすれば当然増えると思いますが、それではその数字の悪化がどのくらいまでが許容範囲であるのかも示されず、こうなると、例えば大型事業三つが重なるようなことがあった場合、本市財政はどうなるのかということが大変心配です。市の財布を預かる財務部であれば、しっかりとその根拠を具体的な数字をもって大丈夫と言うべきですし、仮にそう言えないなら、大丈夫かどうかわからないという前提で議論を進めるべきではないでしょうか。

 いずれにしましても、今後の新型コロナウイルスの感染状況によってはそのリスクはさらに増大していくと思われ、松戸市はさらに厳しい財政状況が継続することも考えられます。

 このように、市の財政運営の疑問や今後の見通しへの不安がある中、第2款総務費の第1項総務管理費、庁舎管理事業、市役所機能再編整備基本計画策定業務委託3,000万円、そして、第8款土木費の第4項都市計画費、松戸駅周辺地域活性化事業まちづくり基本構想推進業務6,818万1,000円並びに松戸都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別繰出金1億9,284万円については、次期総合計画、公共施設再編整備の個別計画の策定の遅れ、そして、もはや謎としか言いようのない新焼却施設建設の延期など、大型事業の中の優先順位や事業費の総額並びに見込まれる借金の額等が示されないまま、本当にこれらの事業を進めていいのか判断ができないこと、そして、第2款総務費の第1項総務管理費、デジタル化推進事業のバーチャル松戸市構築設計委託1,500万円並びに第3款民生費の第2項児童福祉費、放課後子ども総合プラン事業の習い事送迎支援1,000万円については、このコロナ禍でなぜ優先的にこれらの事業を市の負担で新たに始めるのかという部分、とても疑問が残り、理解できませんでした。

 今回はそういったことで修正案を提出させていただきましたが、特別委員会では同時に、松政クラブ、市民クラブから市役所機能再編整備基本計画策定業務委託のみを削除する修正案が提出され、二つの修正案のうち重複しない事業を削除する提案が最初に採決されましたが、残念ながら反対多数となってしまい、否決となりました。その後、削除する重複した事業、市役所機能再編整備基本計画策定業務委託について採決され、賛成多数により、こちらは可決すべきものとなりました。こうした特別委員会での経過、採決結果によって、市役所機能再編整備基本計画策定業務委託については削除された修正案というものが本日議会に提出されました。

 我々政策実現フォーラムとしましては、この市役所機能再編整備基本計画策定業務委託以外の削除を提案した事業について、今まで申し上げてきたように、内容や進め方に問題があると考えていたところですが、これらの原案の中には、先ほどもあったとおり、市民の多くが待ち望んでいる新型コロナウイルスワクチン接種業務など、感染症対策なども含まれていることなど、今本市に必要な予算も多く含まれており、会派としては大変悩みましたが、削除すべきとした予算とそれ以外の予算を総合的に勘案し、今回は賛成とさせていただきます。

 次に、議案第76号、令和3年度松戸市松戸都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計予算についてです。

 今回も予算計上のある物件補償費用についてですが、今定例会の先議で諮られた補正予算では、コンサルタント会社が一度平均1,200万円と見積もったものを、今年度の当初予算では1件約平均で317万円と大幅に減額して見積もり、その後補正で1件平均1,428万円に修正したという事実が明らかとなっています。特別委員会では、新年度は国の基準に沿って行っているから同じミスは繰り返さないということでしたが、補正予算の先議の際も含めて、次は大丈夫とこちらが納得のいく、確信の持てる説明とは残念ながら感じませんでした。

 また、マンションの売却先についても問題がないとは言えません。これまで事業者に無料でコンサルタント業務をお願いしていた経過があり、マンション売却先にこの無料のコンサルタント会社が選ばれた場合には公平性・競争性が担保されるのかという疑念の声が上がることが心配です。そして、事業計画どおりにマンション業者への販売を行った場合、地権者よりも安い単価での販売になる可能性もあるようですし、予算審査では、用地を買った分マンションを小さくすることも考えていないということもわかりました。これまで市は、地権者の土地を等価交換する土地が足りないからマンション建設して床を交換するとの説明でしたが、等価交換するマンションの床が減少しているにもかかわらず、規模を変えない、駅前に立地する特性を生かしたまちづくりの観点から必要な規模ということになっているようですので、これもいつの間にか本事業の目的が大きなマンションを建設することにすりかわってしまっているのではないでしょうかというふうに感じます。

 いずれにしましても、このような内容や進め方ではさまざまな疑問は拭えませんし、市が土地区画整理事業と一連の事業としている快速列車停車事業の中身や見込み額は全くわからないこと、大型事業の中でも絶対に必要で最優先と考える新焼却施設建設の事業費が全くわからない状況では、そもそも本土地区画整理事業を行うべきか否かの判断はできません。よって、本予算についても賛成することはできません。

 以上、会派の予算案に対する考え方を述べさせていただきましたが、そのほかの議案第69号と第76号を除いた特別会計、企業会計については、各事業の必要性を鑑み、賛成する旨を申し添えます。

 最後になりますけれども、予算審査、ヒアリングなどに当たり、執行部の皆さんにおかれましては丁寧な対応をしていただき、まことにありがとうございました。

 以上で会派を代表した討論を申し上げました。皆様の御賛同をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)